第4話

「ありがとうございました。エッセイと言っても、いろんな形のエッセイがあります。ここでは、皆さんの個性を残しつつ、得意を伸ばしていきたいと思ってます」

授業はそんな感じで始まった。

ざわついた中、一枚の紙が配られた。

まず、最初の課題は、今まで読んだ本の中で一番面白ろかった本の感想文を四百字以内に書くという内容だった。教室内がしーんとした。

一回目の授業が終わった。

終わると、前に置いてある箱の中に、原稿を入れていった。和歌子は原稿を提出すると、何もなかったように教室を出て行った。

声をかけようと迷ったが、次に何を話せばいいだろうかと思ってとどまらせた。

そして、そのまま見送った。

教室の外に出ると、むおんとした生温かい空気が体を包んだ。

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