第2話

そこにドアがガラッと開いた。俊一郎と同じくらいの歳の、若い女性が入ってくる。

その女性は俊一郎の一つ斜めに座った。心ときめいた。好みのタイプだったのだ。背は低く小柄で長い髪。目は意志的な目をしていて、子供のようだが決してそんな雰囲気を漂わせていない、芯の強そうな女性だ。席に座れば大人しく、手帳を眺めていた。ただただ、ぼーっと女性に見とれている。

すると講師と思われる、四十代くらいの男性が入ってきた。顔が丸く優しそうでおっとりとした顔つきで、それでいて背は高く、さっそうと教室の前のホワイトボードの前に立った。ぼこぼことマイクをいじり、それを首からかけてしゃべり始めた。

「今日から三ヶ月間だけ、エッセイ教室の講師を勤めさせていただきます。川辺と申します。皆さん、よろしくお願いします」

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