二十七歳の恋(前編)
林風(@hayashifu)
第1話
緊張した面持ちで教室に入って行った。
教室の中は、しーんと静まり返り、皆、それぞれ持ってきた本などを読んでいた。どこに座ろうかと迷ったが、一番後ろの席に座った。机は長テーブルで、横に三人ずつ座れるように並んでいた。そのテーブルが前から十席、置いてある。
真ん中に通路を空けて、全部で二十席。六十人座れる計算だ。
ところが生徒数は、わずか十六人あたりしかいなかった。すかすかに空いた席で、どうやら授業は行われるようだ。軽くため息をついた。この中で深い仲になれそうな人は見当たらなかったからだ。皆、歳は五十歳以上に思える。俊一郎は二十七歳だ。
友達探しも一つの目的だったのに、こうも歳が離れていると、友達になれそうな人は見当たらなかった。
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