第3話

さあさあやって参りました森の前


ホントはさ

草原をさ

行きたかったさ


でもさ

靴がさ

指したんですよ

指しやがったんですよ

森を


予想出来ていた電波状況と、予想以上の所持品と情報の無さに当たり散らしてみたものの


逸らしきれるわけも無く

森(げんじつ)が目の前に広がる


「とうとう着いちゃったよ…」


ここまでかれこれ3時間

太陽はほぼ真上


「凡そ正午頃か」


スマホの表示も、正午を少し過ぎた頃


「これで明日も同じ様な感じだったら地球とほぼ一緒かな」


現実逃避を引き延ばしつつ森を見る


「分かっちゃいたけど……やっぱ暗いなぁ」


真昼であっても森の奥は薄暗く、そのまま歩く分には支障はないが、夜が早いのは容易に想像がつく

そんな森が広がっている


「これってやっぱ原生林だよな。間引いてたらもっと明るいだろうし」


言いながら森に入る


周囲を見ながら

手近な枝を降りながら

奥へ奥へと歩を進める


「そんなに知らないけど、見た事ない草木がちらほらあるな」


少し粘つく様な空気と、濃い土の匂い

腰程に茂った草木をガサガサと掻き分け進む


ギョキョキョキョキョキョ

ヒィーハァーフフフゥ

ジョ…ジョジョ譲二女児


「何か聴いた事もねぇ様な獣?虫?の聲ばっかだな」


日当たりのせいか幾分肌寒く感じる気もするが、抗じる術があるはずも無く


「何か面白いモンねぇかなぁ」


独り言と散策で気を散らす








そして出会う

運命とも言える存在に









「おっと、いい感じの棒みっけ」


健全な男子諸君なら解ってくれるだろう

何かいい感じの太さ

何かいい感じの長さ

何かいい感じの形状

何かいい感じの色艶


心が魂が疼き揺さぶられる様な

そんないい感じの棒を見つけてしまった


当然、テンションは否が応にもアガってしまう


だが、誰に攻められようか

いい感じの棒

あのいい感じの棒なのだ


そんな注意力散漫な状態で森を歩けば迷子になるだろう


怪我をする事もあるだろう


「不味ったな。途中から目印付けるの忘れてた」


キョロキョロと辺りを見回し進む


「まいったなぁ…今どのへうおわぁあああ!?」








そして、罠に掛かる事もあるだろう








ガサガサッ

ゴンッ!


次の瞬間には、気絶した男が吊るされていた


タロットカードのイラストに採用したいと思いました









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