第2話

さて、とりあえず方角は決まったのでまずは歩きますか


「にしても、ホントめぼしい物何もめねぇのな」


足首より高いくらいに茂った草原を進む


「いや〜、見晴らしが良いから周囲の警戒が楽だわぁ」


穏やかな風が心地いいな〜なんて思いながら、ふと過ぎる

そーいやロクに確認が終わってなかったな。と…


「そーいやステータスの確認はしたけど、所持品とかどーなってんだ?」


果たしてあのNo dataの羅列を以て確認と言っていいのかどうか…

あえて得たものを挙げるならば「何も解らない事が分かった」だろうか


とりあえず歩きながら、自分の服装を見てみる


薄い生地で、黒地に白で水墨画みたいな和柄風なTシャツと

そこまで色濃くはない黒っぽい江戸winのジーンズ

暖炉ップのスニーカー


(ああ、いつもの感じか)


「ん?誰かなんか言ったか?」


何か聞こえた気がしたんだが…


「気のせい……か?」


気を取り直して続き続きっと

ポッケットをまさぐってみる


「おっとスマホか」


右ポケットからはスマホ出てきた

電源生きてるけど、当然電波は無く


「イベントとかどーしてくれんだよ!?」


オバロとかこのすばとか東方とか全部パーじゃねぇか!?


「っ、くそっ。イラついたってしょーがない」


次だ次っ


イライラしながら捜索した結果、主な所持品はスマホと赤い長財布


(とちぎレザーってゆーちゃんとした牛革なんだけど……ソレ高かったんだからな!絶対無くすなよ!絶対だからな!振りじゃねーぞ?)


「うおっ!?ビクッたァ…何だぁ?」


ビクつきながらも財布の確認

財布の中身は日本円で1万2597円と、何かよく分からない黒い無地のカード?


「他のポイントカードとか免許証とかドコ逝ったよ!?」


免許証の再発行って幾らしたっけ?

1万で効いたか?


しかも来年更新だったよな?


「マジで勘弁してくれよ……バイクも車も失効とか……次学科受かる自信ねぇよ…orz」


そもそも何だよこのカード

よくあるクレジットカードサイズだけど、両面真っ黒でなんの柄も凹凸も無い


「うん、何も分からん」


立ち止まり、スマホと財布をポッケに戻す

ふと、視界に入ったステータスウィンドウ


「そーいや出したまんまだったか」


どーやって消すんだ?なんてイジってたら、画面の変化に気が付いた


「一番下に項目出来てんな」


一番下に所持品の項目が…

タップしてみると、スマホと財布の表示


「ん?」


よくよく見ると財布の表示だけ浮いて見える

なんとなくもう一度タップしてみると


「おお」


1万2597円とブラックカードの表示が

PCのフォルダみたいなモンか?


「なるほどね」


取り敢えず、現状分かるのはこんなもんか


再び周囲を見回しながら歩を進める


そうそう、結局ステータスウィンドウ(面倒だから以下SW)は右上の✖押したら消えたよ。ちょいちょいPCみたいだよなぁ






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