第13話
必死の抵抗の
「……っハァ!ハァ……し、死ぬかと思った……」
「なによ。先に殺そうとしてきたのはアンタの方でしょ。自業自得よ」
「夜の学校を歩いただけで死ぬわけねーだろ!」
「なんでそんなこと言い切れるのよ!相手は幽霊なのよ!?」
「だから!幽霊なんているわけねーだろがよ!」
だが、息も
「あー、
「な、何よ」
そんな様子をチラ見しながら少しだけ申し訳なさそうにしていた明が、新の方に向き直った。
その表情が新の心にいたずら心を芽生えさせる。
(さっきのは、いくら何でも理不尽すぎるよな――)
言い訳にするにはあまりに
「
少しだけ
まぁこんな小学生みたいな安い挑発、さすがに明でも相手にはしないは――
「ハァ!?べ、別に?ビビビビビってないし?」
……面白いほどに釣れました。
「いや、今何回ビって言ったんだ。なんか感電したみたいになってたぞ」
「ビビってなし!!」
「いきなりの決意表明!?」
とはいえ、そうして否定したところで、
何のことはない。
明は、ホラー系をはじめとした怖いものが昔からとにかく苦手なのだ。
幼いころ、一緒に遊園地に行ってお化け屋敷で大泣きした
ちなみに以前、そのことを
ともかく、それぐらい前から知っていたものを、明はなぜか今でも必死に隠そうとする。
きっと彼女自身も、新にそのことを知られていることは理解しているはず。
だからこそ、明のその姿勢は新の心に
もっと打ち明けてくれていいのに。
自分にだけは取り
どんなに言葉を重ねても、そこに
つまり、好きな人に
「ビビってないなら、わざわざ俺が付いていく意味もないだろ」
「い、意味ならあるわよ!」
いやに自信ありげだった。
「ほー、どんな?」
「それは……」
明は口元に右手を
「ズッコケた時に私のパンツが見れることかしら?」
シリアス顔で、なんだかとんでもない理由を持ちだしてきた。
「……ズボンのことをパンツと呼ぶ気なら、張り倒すからな?」
「……ふーん、
「
「当たり前でしょ。なんで私がホイホイと自分の下着を公開しなくちゃいけないのよ」
「『それに、今日はちゃんとしたの
「気持ち悪いセリフを付け加えるな!」
制裁とばかりに
疲れた足元に地味な痛さの残る攻撃はなかなかに
「それで結局どうなのよ?」
明が結論を
「そうだな……黒色とか大人っぽくて意外とグッとくるかも」
「下着の話じゃないわ!リクエストとか出しても絶対
「そんな……」
「なんで応えてもらえると思ったのよ……」
「明は
「……この流れでそれ言われると、軽い女みたいで嫌なんだけど」
「まぁ、俺も人のこと言えないけどな」
「うわ、チャラ男だったんだ。マジ引く」
「そうじゃなくて」
新は頭を
「俺も、頼まれたら断れないってこと」
そう言うと、
「……あの、なんでしょうか、この手は」
「何って……そこは
「いや、これがどういう意味かは察してはいるんだが……」
知りたいのは、むしろその行動に
「い、いいでしょ、別に!私の
照れ臭そうに明が声を上げる。
「明の見立てとか、もうその時点で不安しかな――」
「それとも、腕をちぎり取られる方がお好みなのかしら?」
「
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