第6話
「ね、
細い声で
新が再度目を前に向けると、明は何やら落ち着かない様子だった。
自身の
むくむくと湧く
まず、明は言いたいことははっきりと口にするタイプの人間だ。
なのに、あえて口にせずに伝えようとしているあたり、きっとそれは言い出しにくいことなのだろう。
それに、先ほどの幽霊話。
外は
浮かべた要素を線でつなぐ。
そして
「
「し、仕方ないじゃない!こんなこと、アンタ以外に頼めないし……」
少し恥ずかしそうにしながらも、自分の意思が伝わったことに
「まぁ確かに頼みにくいことではあるな」
明の主張はもっともに思えた。
「でしょ!?それじゃあ!」
「ああ、分かってる」
万事心得たとばかりに、
そして新はゆっくりと……
ゆっくりと廊下を
「……は?」
新が取った行動。
それはさながら家臣が主人に道を開けるときにするような、そんな行動だった。
まったく予想外の行動に、明は思考を完全停止させる。
「えっと、ごめん、
明確な言葉が見つからないまま、頭を右手で押さえるようにしつつ明が
「いや、何って……。わざわざ言う必要ないだろ」
「いや、そういうのいいから。とりあえず言ってみて?」
新は頭を軽く
「ほら早く上がれよ。トイレの場所は……って、もう知ってるよな。俺ちょっと席
「ふん!!」
家の奥に引っ込もうと背を向けた新の右ももを、明の右足が一閃した。
「痛ってぇ!何すんだ!!」
「何すんだ、じゃないわよ!アンタこそ、な、なに考えてんの!?」
「え?何って……?」
新は目に涙をうっすら浮かべ、まだ痛みの残る右ももを
「明、トイレ行きたいんじゃなかったのか?」
「ちっがうわよ、このバカ!なんで今の流れでそんな話になるワケ!?」
信じられないとばかりに、明はけたたましい声を上げる。
「なんでって。この雨の中、体を冷やしながらここまで来たんだろ。まして例の幽霊
「なんか論理的に推測しましたみたいな話ぶりだけど、全然違うから!私の思いに一ミリもかすってないから!あと催したとか言うのやめろ!」
「そんな……。だとしたらお手上げだぞ。これ以上の理由がいったいどこに……」
「えっと、
膝から
ただし、お互いの身体の距離は先ほどよりも数センチばかり
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