第6話 初クエスト

スレインとパーティーを組むことが決まった次の日、俺たちはスレインに会うために冒険者ギルドに訪れていた。全く起きてこないモモをたたき起こして………


「お~いリンタロウ、こっちだぞ~」


声のする方を見ればスレインがたっていた。昨日とは違う武器を身につけて。


「おはよう、スレイン朝から元気だね。うちのねぼすけさんとは大違いだ。………まあ、それはおいといて今日は何すんの?」


「とりあえず、今日はみんなの技量をはかるために近くにある山岳地帯でゴブリンとオークを倒すよ。ちょうど友達も今日は暇みたいだからパーティー組んでくれるみたいだし。…………後で紹介するよ」


「分かった………けどなにか武器か防具を買いたいな。スレインどっかに鍛冶屋とかはない?できるだけ良い武器が欲しいからね」


(モモ、お金って今どんぐらい残ってんの?)

スレインに見栄をはってしまった俺はこっそりとモモに伝える……がそんな俺の思いも考えずに……

「今は銀貨120枚程度しかないよ、リン。これで買える武器ってなんかある?」


「何の武器を買うの?」


「何の武器って言われても俺は2日前に武器を初めて持ったからな……なにがいいかすらわからないんだよな~」


「じゃ、じゃあ、杖はどうかな。私も最初は杖だったんだけど、勇者様と分かれてからは攻撃もしないとダメだったから魔剣士にチェンジしたんだ。私が一番初めに使ってた杖ならあげれるけど……………どうかな?魔力適正がなかったら無理なんだけど」


杖か……いいじゃないか、前線はモモ達に任せて後ろから、魔法を放っとけばいい……めっちゃ楽な仕事じゃん。でも、魔力適正か……こういう異世界じゃ魔法が放てて当然っていうかなんか才能があるといいんだけど………俺はステータス自体まだ分かってないからな…


「えっ!ステータスなら『ステータスオープン』っていえば開くけど…まさか、知らなかった?」


な、なんだと、そんなことで開くのか…と、思ってると変な声が聞こえてきた。聞こえた方を見るとモモとネロが笑ってた。それも、大笑いで…こいつらにはお仕置きをしようと心の中できめてステータスを開いた。


「ステータスオープン」



枩島 麟太郎    職業:未定


LV5

装備  鉄の剣:ランク1  品質 低

くさりかたびら:ランク1  品質 低


魔法 ナシ


スキル

〈眷属化〉 〈救済〉 〈鑑定〉


魔法適正  未定


称号 〈堕天使のお目付け役〉:堕天使と共に他世界から降りてきた

〈他界からの救済者 〉:救済を目的とした人間に与えられる

〈悪魔の付き人〉:悪魔を眷属にした



へ~こんな感じなんだ。けど魔法適正は未定か…どっかに測る場所とかないのかな。


「それならそこの受け付けでできるよ」


と、いって受け付けにある水晶玉を持ってきた。スレインが言うに水晶玉に魔力?を込めれば自分の魔法適正が、分かるみたいだ。と、言うことでさっさと魔力適正を測るとしよう。


「じゃあこの水晶玉の上に手をおいて力を込めて」


言われた通りにしてみると……水晶玉に文字が浮かんできた。え~っとなになに、

【魔法適正/雷、炎】

か、なかなか強いんじゃないか。それに炎か……THE異世界って感じだし。


「へ~なるほど~炎と雷かこれなら後方支援の魔法職で全然大丈夫だね。どうする?」


「ん~、うん、それじゃあ俺は魔法職にするよ」


「オッケー、じゃあ私が前に使ってた杖をあげるね、品質は中だけどね」


と、いって杖をもらった


炎氷の杖    品質 中


「じゃあ討伐に行くよ友達も待たせちゃってるし」


と足早に移動していった。この温泉街フェルトクスは街の周りが城壁で囲まれていて東西南北に門があるみたいだ東からはアルトクルト王国?という国があって今回は北に広がる平原と山脈の方にいくみたいだ。門の前に着くと…女の子がいた。スレインと仲良くしゃべってる。


「え~っとスレインその方は……?」


「あぁこの子はピンキーっていう。もともと私が最初に入ったパーティーでいっしょに戦ったヒーリングモンキービレッジが人間化したんだ。今は私の大切な相棒だよ」


「よろしくピンキーちゃん、俺は枩島 麟太郎、リンって呼んでくれそんで白いのががモモ、黒いのがネロだ」


「ヨロシク、杖のお兄ちゃん、とモモ?とネロ?カナ、ピンってヨんで」


「うん!「「よろしく」」」


杖のお兄ちゃん…ま、まぁいいや、


「じゃあさっさと行くよ、何をして欲しいかとかは移動中に話すから」


スレインの話しによるとゴブリンは剣と盾もしくは斧を持ってるから魔法職がぶっとばせばいいみたいだ。ただ例外としてアーチャーや初級魔法を放つゴブリンとかゴブリンキングは魔法耐性があるから近距離の方が倒せるみたいだ。オークは魔法攻撃よりも近距離攻撃のほうが倒しやすいみたいだからそこはモモとネロに頼むとしよう。そして、スレインは魔法の詠唱も教えてくれた。炎魔法『ファイアーボール』をと、しゃべっている内に街から2kmほど離れた平原へやってきた。平原には異世界では最弱の魔物、ゴブリンがうようよいた。スレインからの指示は合図をしたら魔法を放つ、それだけのようだ。スレインの武器は剣でピンは爪のようだ。魔物特有のなにかなんだろう。


「それじゃあまずリン!あそこのゴブリンに魔法を放って」


「りょーかい、『 神聖なる精霊に問う 理を築き上げ炎の球を打ち出せ ファイアーボール』」


俺が放った魔法はゴブリンに当たり燃えていた。モモとネロは近接戦でおおいに活躍していた。スレインによるとクエスト内容はゴブリン30匹オーク5体の討伐というものだったのでゴブリンを燃やしまくろうと思った矢先ピンが一瞬で片付けていった。オークも、モモとネロがすぐ倒したのでドロップアイテム?を取って街に帰った。ただ、モモは魔法を放つ際に詠唱してなかったからどうにかして俺も詠唱をなくしたいなぁ…


―――――――――――――――――――


冒険者ギルドに戻った俺たちはゴブリンとオークのドロップアイテムを換金所に、持ってってお金に変えてもらった。今回はクエストクリアと換金代で銀貨5枚と銅貨8枚となった。スレインは気前よく分け前として銀貨3枚と銅貨4枚をくれた。それと同時にクエスト達成によりスキルも手に入った。

「今日はありがとうスレイン、ピン、これからもよろしく」


「「うん!よろしく」」


これが俺の始めてのクエストとなった














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