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カーテンの
「そろそろ暗くなってくるし、今日はこれぐらいにしておこうか」
言いつつ日葵もずっと同じ体勢で
(本当にずっと勉強しちゃうんだもんなぁ……)
予想していたとはいえ、意中の相手の真面目っぷりに小和は気付かれないように小さく
ほんの
まったくそういったことがなかったわけではない。ただ、日葵が小和を女の子として意識していたかと
女子と二人きりの空間に
(やっぱ恋愛とか興味ないのかなぁ。単純に私が
そう思うと、小和を溜息を吐かざるをえなかったのだ。
もっとも、日葵が恋愛に興味があるかどうかはともかく。女子と距離が近くなることについては日葵の耐性は同年代の男子を
多少手が触れた
(それに……そもそも
テーブルの上のノートを立ててトントンと
同じようにノートを整理していた彼女は、小和の無言の
(
一時間ほど前に、再び日葵のドアがノックされたかと思うとそこには妹の杏奈がいた。
杏奈は自分も一緒に勉強したいと兄に
小和にそれを
だが三人で勉強を始めて少しすると、杏奈の本当の目的が勉強以外にあることが小和には分かった。
小和の行動や発言に杏奈が気を
つまり杏奈は、兄と小和がいい雰囲気にならないように
(妹ちゃんには意識されてるってことかな……)
大事な兄に虫がつかないように。
「今日はお疲れ様。やっぱり一人でやるより誰かと勉強したほうが
その兄は
「
「――確かにそうかも」
実際小和も日葵の友達である佑真にはやんちゃな印象がある。彼が何時間も座って勉強している様子はあまり想像できない。
「あ!そ、それじゃあ……!」
小和が思い切って最後の一勝負に出る。
「日葵君!今度また二人で勉強を――」
「お兄ちゃん!今日はありがとう!おかげで勉強しっかりできたよ!お友達の人も!」
小和の言葉を
お友達の部分が特に
だが、すぐに口元を
「――そうだね。日葵君。今日は勉強教えてくれてありがとう。おかげでテストは大丈夫そう」
「僕の方こそ。英語ちょっと不安だったから、
そう言って日葵が
微笑みを
「それじゃあんまり長居しても悪いし」
片づけも済んだので小和が立ち上がる。日葵と杏奈もそれに続いた。
「日葵君……?」
「家まで送るよ」
「ええ!?いいよいいよ、そこそこ距離あるし!」
突然の申し出に思わず小和は断った。そこまで
だが、日葵はトントンと爪先で玄関の
「じゃあ途中まで。僕が送りたいんだ。いいでしょ?」
そう当然のように言う。
そんな言い方をされたら、断れない。
(……全然気のある素振りはしてくれないのに、こういうことしちゃうんだもんなぁ……ずるいなぁ日葵君は)
小和の頬が赤いのは、開いたドアの
「わ、私も……!」
「杏奈は待ってて。じゃ、ちょっと行ってくるね」
ガチャリと
「……………」
少しの間無言で立ちすくむ杏奈。その背後から階段を
「――ハルってさぁ、あの子のこと好きなのかなぁ……どう思う?」
姉が妹の
「……分かんない。お兄ちゃんって、学校じゃどんな女の子にもあんな感じだし」
ふぅむと真希は腕を組む。
日葵は優しい。そんなことは百も
(……ハルってばけっこうたらしなのでは……)
(むしろ
姉は心中で
もっとも、容姿が整い過ぎているが
「ともかく、だ」
一つ頷いて真希は杏奈に向き直った。
「杏奈、今日はありがとう。私一人じゃ、
穏便に邪魔をするという奇妙な言葉の
杏奈がいてくれたからできたのだ。
「――兄妹なら、これが当然なんだよね……?」
「もちろん!ハルに
よくできた妹だと、真希はその自分の胸あたりにある頭を
日葵と共に過ごす時間を
――だから、気づかなかった。
「……そうだよね!お兄ちゃんは誰にも
その戦友の
弟を守るという目的以上に、姉妹の仲が深まった一日だった。
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