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少しばかり
(もっとがっつりメイクしておいた方がよかったかな……でも勉強会でがっつりメイクしてるって変だし……)
(せっかくさっちーが作ってくれたチャンス……今日でグッと
友達に感謝しつつ、決意を込めて拳を
「あ、
そういって向けられた異性とは思えないほどに可愛らしい笑顔に一瞬反応が遅れたが、
「――あ、う、うん!今日はよろしくね!」
どうぞと
(せ、瀬野君の家に入っちゃった……!)
これだけでも他の女子達よりもずいぶん先んじたような気がする。日葵のことが気になっている女子の中でも、家に行ったことがある女子はほとんどおるまい。
「お、お邪魔しまーす……」
「どうぞ」
今になってかなり
もちろん小和としては何かしらの間違いが起きてもまったく問題ないわけだが、日葵の性格からしてそんなことはありえないというのが安心でもあり少し残念でもある。
スニーカーを
(お姉さんと妹さんがいるんだっけ……)
妹の
一方で姉の方については大学生ということ以外まったく情報がない。
(きっとすごい美人さんなんだろうな……)
そんなことを小和が思っていると、
「あら、お友達?」
想像通りのすごい美人。いや、それ以上。この人は本当に自分と同じ人種なのかと
アンニュイに細められた両眼とふと目が合い、小和は慌てて、
「は、初めまして!瀬野君と同じクラスの新田です!瀬野く……日葵君のお姉さんですか……?」
一瞬、ピクリと
「そうよ。今日は勉強会だったわね?」
なぜか勉強会という単語が特に強調された言い方だったような気がしたが、小和が
「勉強熱心でいいわね。勉強、頑張ってね」
やたらと勉強という単語を強調してくるような気がしないでもないが、小和が頷いていると、
「ところで……」
何かを
「お姉ちゃん、これからどこか行くの?」
「ふぇ?いや、ずっと家にいるよ。うん、ずっと家にいるからね」
なぜか後半は日葵ではなく小和に向けて言ったように感じたのは気のせいだろうか。
「じゃあさっきまで
日葵の
「いや、ほら……
「ふーん」
特にそれ以上は
「僕の部屋二階だから。こっちだよ」
「う、うん!」
真希に
「せ……日葵君のお姉さん、すっごく美人だね……私びっくりしちゃった……」
「そう?僕はもう
少しばかり
(でも……お姉さんには感謝しなきゃ……)
前を行く日葵に
(自然な流れで下の名前で呼べるようになっちゃった……私のことも下の名前で呼んでくれないかなぁ……)
日葵の家に来てさっそくの
「……………」
階段を
その背後のドアがガチャリと開く。
「――オネイチャン」
「敵に塩を送ってどうするの!なんか自然に下の名前で呼んでたよ!?」
「うーむ……でもあれはどうしようもないっていうか……」
実際あの流れは真希が姿を見せた以上仕方ない流れだったとも言える。
「まぁでも、これで家に大人がいるってことはちゃんとアピールできたね」
もっとも重要な目的が達成できたことに、ひとまず杏奈はうんと
「これで
最初の
明確に第三者の存在を意識させることで、二人きりだと思わせない。軽はずみな行動をさせない。
「しっかりした感じの子だったし、あんまり変なことにならなさそうだけどね」
「甘いよお姉ちゃん!」
考えの甘い姉に妹がビシッと指を突き付ける。
「最近の中学生はそれはもうすごいんだから!」
「そ、それはもう!?」
「二人きりでいい雰囲気になったら……ちゅーぐらいしちゃうかも……」
「なんてこった……あの子も大人しい顔して実は
日葵の方からとは
「ともかく、少し様子見だね。いちおう勉強会だし、あんまり邪魔するとお兄ちゃんに怒られちゃうし」
手伝いを
そう、作戦だ。日葵と小和が必要以上に仲良くするのを
共通の敵を前にした時こそ、人はもっとも
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