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「お姉ちゃん!」
「ど、どうしたの……?あ、お弁当どうだった?お姉ちゃん
「そう、お弁当だよ!」
「残さず食べてくれたんだぁ。お姉ちゃん嬉しいなぁ」
ニコニコと
「今回は
「それだよ!」
何が問題だったのかまるで分かっていない様子の姉に弟が必死に
「あれは、さすがにちょっと……
少し
「……ごめんハル。ハルは可愛いよ」
「ほんとに
いつも通りではあるのだが、
「あのお弁当のせいで僕……クラスのみんなから彼女がいるって思われてるんだから……」
ピシッ
姉の身体が
「か……か、か、か、かぁぬぉじよぉおおおお!?」
一歩二歩と
「そんな……ハルに彼女だなんて……
光を失った
「
涙を浮かべて声を
「だから……あのお弁当のせいでそう思われちゃったんだって……彼女なんていないよ……」
「ほんと!?ほんとに!?」
半べそをかきながら弟の
「――お弁当作ってくれるのは嬉しいけど、もうあんな恥ずかしいお弁当はやめてね」
「ぐすん……はい……」
真希が落ち着いたところで
「あ、お兄ちゃんお姉ちゃん、ただいま!」
「お姉ちゃん!お弁当とっても美味しかったよ!」
荷物を置きながら笑顔を向けられて、今しがたのショックから立ち直った真希はホッと一安心。
「そか。よかった」
「それにね!
日葵の分のみならず、杏奈と自分の分のお弁当も真希は作った。
「でも……ちょっと
買ってきたものを
「私、あんなに可愛いお弁当作れないよ……」
笑顔から、一転、声のトーンを落とした杏奈。
杏奈の料理の腕を真希は知らない。だが、この様子では真希よりも上ということはないのだろう。姉に
(……なんか私くっそ大人げなくないか……)
その
妹に勝負しようと言われて、自分の得意分野でガチで勝ちにいった姉。冷静になればなるほど、大人げないしみっともないまである。
「……………」
いてもたってもいられなくなって、真希は立ち上がり杏奈の
「お姉ちゃん……?」
不思議そうな顔で見上げる杏奈の頭を真希はわしゃわしゃと
「何弱気なこと言ってんの!勝負しようって言ったのは杏奈でしょ!それに料理は見かけだけじゃないし、最終的にどっちがよかったか決めるのはハルだし」
そして真希は日葵に意味ありげにウィンク。それだけで姉の
「杏奈の作ってくれるお弁当、楽しみだな」
その言葉を受けて妹は、兄を見て、姉を見て、そして。
「お兄ちゃんがそう言ってくれるなら……うん!私頑張ってみるね!」
またその表情に、見た者の口元をほころばせる笑顔が戻る。
両手で
(ま、私さっきハルに怒られたとこだけどね……!)
杏奈の心配とは
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