天岩戸2
「あそれ!」
「ほ~れほ~れ」
「いいぞー!もっとやれー!」
「うおおおおおお!」
「へいらっしゃい!」
神々に宴をやらせてみたら予想以上だった。
これではアマノウズメという神がおっぱいダンスをする暇がない。
「それはやる必要あるの?」
「これは天岩戸の最大の行事だ!おっぱいダンスがなきゃ神々は笑わなかったかもしれないんだぞ!」
「う、うん」
俺の勢いに蹴落とされたネツがぶつくさ言いながら去っていく。
これで良しっと。
「「「「「あ、あのネツを言い落した……」」」」」
魔王たちの俺に対しての警戒レベルが高まった気がする。
だがそんなことどうでもいい。
「そろそろだな。ゼウス、アマノウズメって神はいるか?」
「いるにはいるが……」
「なに?」
「今のお前に渡すと危険な気が……」
「さっさとしろよ!お前までネツとおんなじようなこと言ってんじゃねー!」
「お、おう」
「「「「「ゼウスまで……」」」」」
また上がった気が……(以下略)
まあいいや。
さっそくアマノウズメを呼んでもらった。
「お、お呼びでしょうか!」
「ああ、そんなにかしこまらなくていいよ。そんなことより君には踊りを踊ってもらいたい」
「踊り……ですか?私は踊り得意ですけど、岩戸の中にいる
「いいんだよ!みんなの目の保養とみんなが笑ってくれれば者儲けだ!踊りというものは本来神聖なもので神々に送るものだろ!」
「ああ、なるほどです!では早速……いま目の保養って言いました?」
「言ってない」
「本当ですか?じゃあ踊らせていただきます!」
この子が単純でほんっとに良かった!
もうちょっとでおっぱいダンス……ではなく神聖な踊りが見れなくなっちゃう。
「「動機が不純で……」」
「二人とも黙ってろ!」
「「は、はいっ!」」
軽く歓声が上がる。
見世物じゃないからやめてほしい。
まあ、コレも宴の一種ということで。
アマノウズメには踊ってもらった。
よく考えたらこいつらは着物というわけではない。
全ての神々が自由に服を着ているような感じである。
アマノウズメなんて洋服だし、ベレヌスもスーツという感じ。
ただ、クトゥグアはボロボロの服だ。
これはなぜって、ふいんきが出るから自らボロボロにしたそうだ。
ラヴクラフトもこんなことになるとは思わなかっただろう。
ともかく、洋服を着ているアマノウズメは衣服ははだけないということだ。
くそう……まぁ神々は笑ってくれたし結果オーライかな……
「まだ出てこないよ
ん?
まだ覗かれてないということか?
なにをやっているんだ
この音が聞こえないっていうのか?
「すまんマーク、言うのを忘れてた。この岩戸は防音効果付きだ」
はい無駄手間ーーー!
*
そういうことは最初に行ってほしい。
「よしゼウス。岩戸の破壊許可をくれ」
「あげない」
「なんで?」
「さすがにそれはだめだ」
くそっ
「わかった。力持ちの神様呼べ!岩戸の岩をどかすぞ!」
「「「おおーーっ!」」」
たくさんの神が返事をした。
「まあいいか」
遂にゼウスはあきらめたようだ。
「せーのっ!」
「「「せいやーっ!ほいさーっ!」」」
男神たちの超うるさい声が聞こえる中、俺は気合を投げかけていた。
魔王たちには直接男神に体力を注いでもらっている。
こんなこともできるなんて、魔王ってホント便利!
「うう……」
「ルーラが倒れたぞぉ!」
「誰か救助しろ!」
そんな声が聞こえるが、大丈夫だろう。
……大丈夫だろう。
「ルーラ、ルーラ!」
「や、休ませて……私はもうよくっやったわ……」
「おう、ゆっくり休めっ!」
……大丈夫だろう。
「マーク、そろそろ開くぞ」
「お、やっとか」
「そう言ってやるな。皆力持ちではないのだから」
「まて、力持ちじゃないなら一体何なんだ?」
「やる気だけは高いでくの坊」
「言っちゃったよこいつ!」
ゼウス、今さっき会ったばかりなのにものすごいやつだと思う。
「「「ぬおぉぉぉぉぉ!」」」
遂に、岩戸があいた――!!
中には倒れた
「体から精神が抜けてるね……」
「すまん、言い忘れていた。この岩戸、精神を体から抜けさすんだった」
ああああああもうほんとに迷惑をかける子だなぁ!
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