天岩戸
「よーし、出てこい
「マーク、閉じこもった神の手の者を出すのはなかなか手ごわいよ。神々はめんどくさいからね」
真っ正面から俺の姉を否定された。
っても、それも事実。
これもそれも、
ちなみに岩戸から返事はない。
何ともめんどくさい。
ほんとにめんどくさい。
なんかイライラしてきた。
「おいーー!はよ!はよ!イライラしてきたんだよはよ出てこい!人たちを困らせんな!」
返事はない。
「よしネツ、この扉ぶっ壊すぞ。
「残念だけどここは世界遺産なのよ。ここをぶっ壊したら下手したら国税全部使っても賄いきれないほどの賠償金出てほかの国と戦争することになるわよ?」
「なんでだよ!めんどくせえな!なんでこんなところを世界遺産にするんだよ!」
本当にめんどくせえ
「いいわ、お前仮にも魔王なんだからコピーする魔法ぐらい持ってるだろ?なに大丈夫さ、太陽を戻すためといえばみんな許してくれる」
「じゃああんたにスキル渡すからあなたがやって?」
「スキル初心者より長く持ってたやつの方が強いだろ?」
「私の教え方が完璧だったらいいんでしょ?」
「あの、そこで喧嘩するのはよしてもらいたいんですけど」
俺の後ろにいたのは神の手の者たちだった。
「おぬしの言う通り神の手のものを呼び寄せてきたぞ。何をするつもりだ?」
「ああ、ありがとうゼウス。マークに指揮権与えてもらえる?」
「おう」
そして、ネツがゼウスといったもの。
ゼウスといえばそう、ギリシャ神話の神、雷の神様。
最高神で、同時に知識の神でもある神中の神。
名前は単純でかっこいいとはいいがたいが神といわれて一番最初にゼウスと答える者は少なくないのではなかろうか。
もちろん個人の感想です。
この世界では神の手の者をまとめ上げるのがゼウスであり、悪魔族をまとめるサタン、天使族をまとめるミカエル、神族をまとめるゼウスの三大主として君臨しているものだ。
なぜこんなに地球の神様が多いのだろう。
この世界は大体ボルケーノ教が当たり前である。
ボルケーノを唯一神としてあがめるかボルケーノの家族、つまりネツなども神として認めるかで別れるボルケーノ教。
ボルケーノの実態を今さっき見てしまったから神聖みがまったく出てこない。
たまにはアホな宗教も存在するらしいが、それは大丈夫なのだろうか。
まあ地球には空飛ぶスパゲッティモンスターを崇める宗教もあるんだから言えたこっちゃない。
ま、言ってしまえば地球の宗教だったりする神様の名前がこの世界で出ていることがマジわからんのだ。
もしかしたら異世界人が広めたのかもしれないし、もともとこの世界にもキリスト教だったりするものが……ってまてよ?
その場合にはこの世界にもイエスキリストやらシャカやらムハンマドだったりがこの世界にも存在するということで?
地球にいた宗教を広めた人がこの世界にいるのならこの世界も地球で?
もしくはキリスト達がこの世界に転生したとか?
もしかしたら異世界転移してどうにか戻った後この世界のミカエル制度を追加したとか?
ん~まあこれは放置でいいっしょ。
保留。
ってことで指揮権を渡された俺はみんなに説明をすることにした。
「よく集まってくれた。さて、もう知ってるだろうが
「なぜ宴?」
あれは……
「ベレヌスだな」
ゼウスのおかげで助かった。
ベレヌスは、ケルト神話の太陽神、だったか?
「ありがとう」
「いや、はやくベレヌスに説明してやれ」
おう
「俺の国では似たような事件が起きたんだ。その時大人らは宴を行い気を引いて岩戸から出させたんだよ。その事件に倣うなら宴したらいい」
「なるほど」
ベレヌスは納得したといわんばかりにうなずいた。
「ほかに質問があるやつはいるか?いないなら次に進ませてもらうが」
手を挙げる者、声を上げる者はいない。
なら、質問無しの合図だ。
「おっけー次行くぞ。鏡を用意、力持ちのやつは岩戸の横、
「鏡?」
あれは……
「クトゥグアだな」
「お前らクトゥルフ神話まで採用してんの?」
クトゥグアはクトゥルフ神話の炎の神。
ナイアルラトホテップと敵対する、互いが互いに唯一恐れる神。
ナイアルラトホテップはクトゥグアを恐れる。
クトゥグアはナイアルラトホテップを恐れる。
敵対しながら恐れあう関係。
もういっそ仲良くしちゃおうよと思うのは俺だけか?
自分の領地の関係性だから仕方ないのか。
まぁええか。
クトゥルフ神話の神が普通に美形なのは驚いた。
「えっ、それはばれるんじゃ……」
「いいから用意する!」
「「は、はい!」」
全員おびえたように返事をした。
まってろ
「「「俺たちは何すれば……」」」
「儂は何をすればええんじゃ?」
「私はなにを……私じゃ宴を楽しむことしかできないかな?」
魔王たちが聞いてきた。
「もちろん、手伝ってもらうぞ?」
「「「「「宴ばっかやってたいーーーー!」」」」」
わがまま言うな!
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