太陽が消えた
「急な案件にして失礼します!太陽が、太陽がッ!」
「なくなってしまったのです!!」
俺たちは硬直していた。
魔王会議の会場は屋内なので太陽は見えない。
よって俺らは外に出ることにした。
「ネツ!」
「今すぐに!」
グレイシアがネツに向かってなにか指示し、その指示にすぐ答えるネツ。
両手を突き出し、紅く光る球をその手の前に出現させる。
「『
その魔法は太陽レベルの高熱の赫球を生み出す魔法だったらしい。
太陽が消えたことで暗黒となった世界を、太陽が消えたことで氷国となったこの地を、ネツの魔法で生み出された火球が照らしていく。
「おお、チートじゃねえか!」
「何言ってんの!このレベルになると私でも維持するのはきついのよ!消費魔力より生み出される魔力の方がでかいやつに、これを任せに行くの!」
「な、なんだって!ネツでも厳しいのかこれは!」
「気にしいレベルじゃなくてほんとに無理してるの!早く準備して!」
「「「「ハハッ!」」」」
ネツに言われて急いで配下たちが準備する。
では魔王たちはというと。
「グレイシア!載せてって!」
「肩にか?」
「そういうことよ!」
「ハイハイ。」
グレイシアはネツを載せて歩くこととなった。
「ディガローー!」
「おう、やつに連絡入れとくよ」
「ありがとーー!」
すでにグレイシアの方に乗ったネツの指示(?)で
「ブルーー!」
「今すぐ氷を解きに行ってくる」
「うんよろしくーー!」
ブルは太陽が消えたことでできた氷を解きに行くことに。
「スラガーー!」
「ファイアブレス使ってブルの手伝いに行ってくるぞ!」
「それでいいーー!」
それでいいのか。
「ルーラーー!は……何もしなくていいよーー!」
「なんでよーー!」
「迷宮内ならともかく今のアンタは雑魚……」
「わあああああああ!今雑魚って言ったーーーー!」
いい……のか?
*
「ほらボルケーノ!娘が来てやったぞ!今すぐ太陽作ってーー!」
「……数億年帰ってこなかったうえに数億年ぶりに帰ってきたと思えば命令口調の子は我が娘ではありません。」
「いいから作ってーー!」
「うおおお!本物だ!すげぇ!」
「本物だ、ってwwおもろーー!」
「なに?帰ってきたと思ったらディスられてる?」
と、ボルケーノが言ったのは『
「にしても太陽が消えたか。神の手の者たちは何やってんだ。」
「ね、」
*ほんとにね*
トヴァだ、なんか久しぶりだな。
「あの、その話、多分あってたら俺知ってます」
「「えっ!」」
多分それ、『天岩戸』だわ。
*
天岩戸とは。
日本を作ったといわれるイザナキとイザナギ。その子供に生まれた太陽の神、天照大御神は生まれた際に真っ暗闇だった世界に光を与えた。
その光は太陽の光であり、すべての世界に恵みをもたらした。
その天照大御神の弟の
諸説あるが、天照大御神の住むところに汚物をまき散らしたのは有名な話だ。
その行動に、萎えてしまった天照大御神は岩戸の中に引きこもる。
そしたらあら不思議。
太陽が姿を消してしまったではありませんか。
神様は大いに困る。
何とか天照大御神を引きずり出す方法を考え、それを実行した。
――岩戸の前で宴する――
それは、ある種の冒涜的な行為。
上司に知らさず打ち上げをやると、ばれた時すんげえ怒られるあれだ。
だが神々は気にせずやった。
気にしなかった。
天照大御神は岩戸の外で宴をやったいるみんなを不思議に思った。
そこで、少しだけ開けて聞いてみる。
「何をやってるんですか?」
「天照大御神よりすごい神様が来たので宴で迎えている。」
いよいよ気になった天照大御神。
思い切って見れるまで開けてみると。
それはとてもとても麗しい神様がたっていた。
――実をいうのならばその神様は鏡に映った天照大御神だったのだが。
とにかく気になった天照大御神はたくさん外を見るように。
そのところに、力自慢の神様が岩戸の岩を持ち上げ天照大御神は引きずられ岩戸から出てくる。
太陽はでてめでたしめでたし。
おっぱいダンスで神々を笑わせた天然馬鹿がいたのだが、そのことは別にどうでもいい。
「そんなこと聞いたら黙ってられないじゃん!
「お、おう。」
さっそく俺らは神の領地行った。
「お、あったあった。ああっ!やっぱり使われてる!」
「ほんとだ!ちょっと~」
「ん?岩戸の前に何か書いてあるな。どれどれ。『スサノオがひどいです。引きこもります。出さないでください。P.S世界が暗くなったらネツさんにたのんで明るくしておいてく……』以下読めず。」
「もとから明るくする前提だったのね。」
うちの子が恥ずかしぃっ!
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