魔王会議の準備
「「ちょっとなにやるの!」」
ひっぱたいたアルカとイルカがそんなことを言っていた。
大事なところで寝てるやつはひっぱたくに限る。
「ちょっとマーク、その子一応魔王の子供だからね?成長したら化けるからね?」
「こいつらがか?そんな期待に備えるぐらいなら俺は今を楽しむ。」
「強いなぁ」
「「いったなーー!」」
馬鹿か。
「それで、魔王たちはいつ来るんだ?」
「明日」
「「「「急いで準備しろーー!」」」」
何故か後ろに控えていたアルファにオメガ、リギドとアナディルカがわめきだした。
「おい、お前ら聞いてなかったのか?」
「まったくもって聞かされてなかったぞ!」
「そうですよ!ネツ様もちゃんと言ってくださいよ!」
「ご、ごめん!昨日開催決定したから!」
慌てて答えるリギドとアルファにネツが返した。
リギドの心中、お察しします。
だって俺だって『明日会議な』なんていわれたらちょっと焦るってもんだ。
「でも、ここまで慌てるものなのか?」
「馬鹿なの?魔王を招待するとしたら部屋の壁の硬さの強化、取り押さえるための支援魔法を使えるプリーストの呼び集め、食材の買い足しから国民への内緒要請まで。数え上げたらきりがないっての。」
そ、そうなのか。
ルキアの言うことが本当なら確かに一大事だ。
「そういうこと。だから、ルキアも手伝っておいで。」
「でも……」
「大丈夫。虹更がいるから。」
「……そうですね。じゃあボクも参加してきます」
「頼んだよ。急な話だから人材が必要なんだ。」
「はいっ!」
「壁の強化は虹更にやってもらうからね。」
「じゃあ買い出しに行ってきます。」
そんなことを言って、ルキアは去っていった。
珍しい。あのルキアがネツから離れるなんて。
いつもネツのそばにいるルキアはあんまりそこを離れたりしない。
それこそネツからの頼みやが本気でなかった場合拒否するぐらいに、だ。
だから俺は。
「珍しいな。本気で頼んだのな。」
そんなことを言っていた。
「あの子は本気で頼んじゃえば本気でやるからね」
「ほう、いいこと聞いた」
「言っとくけど私以外の命令はリギド以外聞かにゃいからね」
「チッ……まて、今かまなかったか?」
「かんでない」
「かんだろ」
「どうでもいいからマークも準備しな。」
「俺に準備することなんてないだろ。」
「あるよ?虹更」
ネツが呼びかけると一人の女性が出現した。
美しい銀髪。
身を包んでいるのはメイド服のようなドレス。
ネツと同じ金色の瞳はネツと同等の少し幼い感じを残していた。
人と違うところは額に何か宝石が埋め込まれているところだろうか。
つまり、この美女は人間ではない。
当たり前だ。
こんなに強い人間がいてたまるものか。
こんなに強い人間、リギドだけで充分である。
ユグの判定だが、まず間違いなく
しかも、『
スキルの名前は『
デウス・エクス・マキナといえば、鋼鉄を司る神でありその名の通り鋼鉄を操る能力のようだ。
中学生のころ中二病になった俺はスキルの名前をよく神だったり天使だったり悪魔だったり、そんな名前にしてた。
だからマイナーの神だろうが記憶してるっちゃ記憶してるのだ。
てか、マイナーな神の方が名前がかっこよかったのだ。
「よんだか?」
その一言で俺が戻されて、ちょっと困惑してた。
お前ネツの部下だろ?そんなため口でいいのか?
「そうだね、あとで壁の強化をお願いしようか。そのうえでマーク達に紹介しといて。」
「了解。任せておくがいいわ。」
俺の疑問は解消されなかった。
*
「そうか、貴様がマークか。どうも、ネツをロリ扱いしたようじゃないか。」
「その通りだよ。ネツはロリって言うとかわいい顔するぞ?」
「なんだと!?ネツにそんな……よし、ありがとう、今度やってみる。」
「「最低……」」
後ろがうるさい。
そんなこと言われたらさすがの俺でも傷つきます。
「ていうか、お前は何なんだ?女のような見た目してるくせに全然男の口調じゃないか。まさかアルカみたいな……」
「残念ながらそれはない。そもそも我は金属なのに性別なんてあってたまるか。」
「え?お前今金属っつった?」
「おう。」
「まじもんな金属?」
「おう、本体見せようか?」
「頼む。」
俺が言う瞬間に虹更は大鎌になった。
その姿は何度か見たことあるぞ!!
「おま、え?嘘だろ!?」
「本当だぞ?」
普通の大鎌ではない。
鎌の刃の接合部分の上に鉱石が一つ。今のところ銀色をしている。
〈
らしい。
〈ちなみに支える木が『世界樹の大木』、その他が『
やばいやつや。
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