帰ってきた龍魔帝国
その後俺たちは
もちろん、アルカとイルカも一緒である。
俺はこいつらの世話を任されたのだ。
そんな二人だが、泣き疲れてしまったのか今はすやすや眠っている状態。
俺がアルカを、ルキアがイルカをおんぶして、リギドとルーフィが周りを警戒している感じだ。
俺はロリコンじゃないのと、一応見た目は子供だから。
ルキアなどもってのほか。伊達に遊び部門とかいうわけわからん部門の長をやってないものだ。
「おかーえり。よく無事に戻ってきたね。」
と、国に転移したとき真っ先にネツにそう言われた。
こいつ、俺らのこと見てたんじゃないのか?
――見てたんだろうなぁ。たしか『
「今日はお祭りだよ。さーあたりに並べーー!」
どうやらお祭りらしかった。
「おっ!焼きもろこしだ!焼きそばもあるぞ!りんご飴もか!」
「うまいよー!たべるかい?一個200円だよ」
「あっちには賭け麻雀なんてものがあるぞ!一回やってみようかな!」
「おう、何円かけるかい?」
「射的もあるな一回やろっかな……」
「まいどありっと、ってお客様!リギド様の銃を使うのはおやめください!」
日本にあった屋台がもーりもり。
もちろん回らせてもらいました。
そして俺の隣には。
「うっ、兄ちゃんどれだけ麻雀上手いんだよ。」
賭け麻雀で金をすっかり奪われた店主が泣いていた。
「しかたねーだろおっちゃん、これって、俺の故郷の国の近くの国が元祖なんだから。」
本当だがハッタリだ。
本当はユグに指導してもらっている。
「なんじゃと、それなら仕方がない。」
納得してくれた。
おっちゃんと離れてすぐ見つかったのはアルカとイルカだった。
俺の前に現れた時と同じ片腕にぬいぐるみを抱え手をつないだ状態である。
どうやら言葉攻めされておどおどしているようだ。
まあ、いままであまり会話したことがなかったのだろう。
「おーい!アルカとイルカよーい!」
俺は二人に駆け寄った。
「はっ」
イルカに急所をたたかれた。
痛みに悶絶して俺は地面に寝転がる。
「あがあああああああ、があ、があああああ」
なんてことだ。
ガキのコワさを忘れてた。
特に女子の。
「な、なにしてくれるんじゃ!」
「何って、自己防衛?」
イルカ、なんてこと知ってるんだ。
「自己防衛で人の急所叩くなよ!せめて弁慶の泣き所にしてほしかった!」
「無理よ。犯罪者に情けをなすと後が大変だもの。」
大人ぶってるなイルカ。
「アルカもなんか言ってやってくれ!お前の妹コワい!姉様としてバチコンって言ってやってくれ!」
「姉さまも何か言って!このままじゃ私たち被害者になるわ!」
失礼な。
俺にロリコン気質はないのだが。
「俺姉じゃないんですけど。」
……
「ああ、そうだったわ。兄さまも何か言って!このままじゃ私被害者になるわ!」
……
「俺に任せろ……。フッ。」
……なんだ。
「性同一性障害か。」
「やめて!言わないで!取り消して!兄さまは兄さまなの!」
アルカは性同一性障害だった。
*
「あのねぇ、私はあなたを認めたわけじゃないわ。もちろん親を殺した相手としてもいいぐらいよ。」
「俺シュウを殺してないぞ。殺したのはレイとかいうきもいわけわからんやつだ。」
「弱らせたのはあなたよ。弱ってなかったらパパがあんなやつに負けるわけないわ。ねえ姉さ……兄さま」
「その通りだな。俺の親父があの程度で負けるわけがない。」
アルカはどや顔でそう言った。
「イルカ、お前それでいいのか?」
「ダメに決まってるでしょ。私としては姉さまとして生きてほしいわ」
小声で聞くと小声でかえって気た。
まあそうだよね。俺も姉が性同一性障害だったらショックだもん。
「おっ!マーク、なつかれているね!ついにロリコンなった?」
「俺がロリコンなったら真っ先に狙われるのはネツだろうな!」
「やだー!ショタっ子にロリ扱いされたんですけどー!私年取らないからロリ扱いはないんですけどー」
「そっかーーー!お前ロリババアだったかー!」
「ふっざけんなーーーー!いまの取り消しなさーーーーい!」
遠くにいたネツがなんか言ってきたので返してやった。
最後はキレおちと、メモメモ。
「何メモしてるのよーー!」
「ネツ観察日記だよーー!」
「夏休みの宿題みたいにしないでーー!」
「謝ってくれたらやめるーー!」
「ごめんなさーーーい!」
俺の勝ち。
「マ、マークだっけ?すごいね、あれ一応魔王でしょ?」
「魔王は魔王でもロ……魔王だからな。」
「いまロリ魔王って言ったでしょーー!」
「言ってなーーい!」
「そーう?ならいいんだけどーー!」
俺の勝ち。
イルカの言う通りこいつは魔王だ。だが、あまりにものほほんとしすぎである。
というか、俺は幸せになったな。
あとはガルスがいれば……
「アルカ、イルカ、俺を兄と認めれば弟ができるぞ」
「「ほんと!?」」
「ああ、俺を認めさえすればどこかにいる弟も持ってきてやるよ。」
「「わかった、認める!」」
何こいつらチョッロ。
だが、そう言ってしまった以上救い出すしかない。
ガルス、どこにいるんだ。必ず見つけ出してやるからな。
俺はまたもや決意した。
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