剣士の復活
(まて、ここどこだ?)
ユアが浮かんでいたのは白い靄が漂う空間だった。
(さっきもやったなこれ)
この短時間で2回目とか勘弁してほしい。
次はどうせなのだからさっき来た方じゃないといいのだが。
何度もあいつのお叱りを受けるのはメンタル的につらい。
もちろん好きな人ということでなく師匠という意味である。
師匠に叱られるとつらいのだ。
これも2回目か。
あいつじゃない別のやつが……
『こんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
ッチ。
やっぱりこいつがきやがるか
『黙りなさいな!私たちの中で
(お、おう。お前
『そんなこったどうでもいいの!あんた何やってんの!?生きて帰ってきてって言ったじゃない!』
(知らんよ。あいつが強かった。手も足も出なかったからな。)
『スキルが影響してるってわからないの!?せめてもの対策であいつのスキルが切れるまで待ってればよかったじゃない!そしたらワンパンもされなかったでしょうに!』
(んなことわかったもんじゃねえよ。お前が異常なだけじゃないか?)
『異常って何よ異常って!もういいもん!あんたを蘇生しないもん!』
(いいのかよ。お前の姉が悲しむぜ?)
『あんたはずるい!ずるずるよずるずるぅぅ!』
なんだこいつ
シスコンなのか自分の名誉好きなのかどっちだよ。
『だーーーー!もういいよ!蘇生してあげるよ!もうちょっと自分の命を大切にしてよ!』
(でも戻っても負けるだけな気がするんだよね。)
『ああそれね。それならあなたに
(!!っとそういえばお前は数ある『
『ネツさんの『
(それはお前の弱みとしてピンチの時までとっとこ……)
『嘘だよ!』
(例えばそうだな、う~んこいつが……)
『嘘だってばぁぁぁぁ!』
そこまで言うと『あああああああ!』とか言いながら体を揺さぶってきた。
おいおい、霊体だろこの体。どうして触れてんだ。
*
『ほら、できたよゲート。行っておいで。』
そういうこいつの前にまがまがしい門が現れる。
(おう、ありがとうな。っとそうだ。『
『ん?うんにゃ。全貌はつかめてないね。つかめているのは『魂』が
(なるほど。だいぶ進んだな。俺がお前らと修行してた時は『ある』としかわかってなかったじゃないか。)
『何年前の話よ懐かしい。なめるなよ~私たちのトヴァは優秀だからな~』
(おうわかった。じゃあ今度じっくり聞かせてくれ。)
『ちょっと扱いが雑くないですかね?そもそもの話、ネツさんの『
(ハイハイソウデスネソノトオリデス)
『ひどい受け流し方だねそれ!』
(ん?)
適当なやり取りを終えたユアがゲートをくぐった瞬間、その疑問が思い浮かぶ。
『どした?』
(お前今何歳?)
『……12歳ですけど』
(おまっあの時から変わらないじゃないかよ!)
『……私たちは年取らないから永遠の12歳ですけど?』
(戸籍的に……)
『女性に年を聞くとかどんなクズ男よ!』
その発言によって、ユアの意識は刈り取られた。
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