敵討ちの本番
俺は警戒しながらもドアを開けた。
理由は簡単、さっきユアにケガさせられてトラウマになったからだ。
思い返してみ見ればよくあんな行動に出たなぁと自分にかるくひく。
もうちょっと慎重にやらないと死んでいたかもしれない。
だが今の俺らなら楽勝ではないだろうか。
リギドでさえ強者なのだ。
ユアまでもいるので負けない気がする。
てか、勝てないと困る。
せっかくの敵討ちなのだ。
そう思いながらもドアを開けたのだが、大丈夫だった。
中には長身の男が一人、怒り心頭という具合に立っていた。
「ユア、裏切ったか。」
その男が言葉を出すだけで、空間が重くなる。
これは、まずい。
下手すればユア以上ある。
といっても、ユアは今弱体化しているそうなので判断基準にはならないが。
だがユア以上というのは本当におかしい。
これでもユアは源鬼神の1柱なのだ。
たぶんだが、鬼人の里にいた奴らの中で勝てるのはワンチャン
何度も言うが、俺が勝てたのは奇跡みたいなものだ
よって、今の俺に勝てる確証はない。
それどころか後方支援できるだけでもすごいぐらいだ。
俺にはユグがいるので後方支援に回れるのだがルキアやルーフィの場合厳しいかも、という現状。
ユグができたことでより正確な実力感知ができるようになったが、絶望感半端じゃない。
アルファとか、超惑わしてきてる
これはまずい
あの頃の俺がこの結果をわかってたら勝てない試合として受けてさえなかっただろう。
それほどに、アルファは強かったのだ。
よく勝てるという自信が出てきたなと、その時の俺を若干ほめる俺。
まあユグもいなかったし仕方がないともいえる。
ユグがいたら絶対わかってた。って、さっき言ったな。
まあそれほど強いアルファよりも強いリギドが勝てないユアが勝てないのだから間違いな元々魔王だったやつの一人だろう。
ヤバイとしか言葉が出てこない時点でヤバイ。
あ、またヤバイ言ったった。
クッソ。
こいつと今から戦わなくてはいけないっていうのか。
やれるだろうか。
いや、やらないといけない。
俺はあいつらのために敵討ちをするのだ。
「目が濁ってるぞ」
リギドからそんなことを言われてびくっとした俺。
「お前は強くなったんだから、本質を見失うことがないようにな。」
そういえば、今俺の中には敵討ちしかなかった。
もっと冷静にならねば。
〈その意気だ。頑張れよ。〉
整理が終わったのだろうか。
無駄なものを処理するといって黙っていたユグがそう言った。
そうだ。
俺が勝利のカギなのだ。
俺は自分の頬をパンッとたたいた。
頬にジ~ンとくる痛み。
周りを見るとひいている敵討ちの相手がいた。
「俺はお前が滅ぼした鬼人の里のマークだ。今からお前を敵討ちとして打たせてもらう。」
そう言って俺は刀をむける。
するとみんなも自己紹介をした。
「ククククク。面白い、面白いではないか!そうか、鬼人の里か!あの戦争に敗れた貧弱な里か!ディガロの生まれ故郷とはいえ、ディガロが一番だったようだな!さあかかってこい雑魚ども。俺は元魔王シュウ。貴様らに負けていい存在ではない。だが、久々に本気で戦って見せよう。さあ、死力を尽くしてあらがってみるといい!!」
少しカッとした。
我慢我慢。
こいつは俺が倒すのから。
――圧倒的な戦いが始まった。
――圧倒的なのはシュウの方。
元魔王は伊達じゃなかった。
強すぎる。
〈そういうこと考えてないでさっさとよける!〉
まあこう、何か考えると叱咤が飛んでくる。
よけなきゃ死ぬけど!よけなきゃ死ぬんだけど!!
もっと激励してくれ。
叱咤と激励はセットだろうが!
〈だからよけろって!〉
あっ!激励をくださいっ!
鞭だけじゃ人は動かないってば!
〈あーもう、ハックするぞ!〉
コワっ!
ハッキングって意味デショ!?
サラリーマンやってたからそれの恐ろしさは知ってるんですけど!
〈お前の考えるほど怖いハックじゃないから安心しろ〉
むむっ!
それはそれはいいかもしれん
ユグに全権を預けて回避に専念してもらう。
俺の好きだった書庫に同じような効果があるやつを見つけたものだ。
じゃあ任せようかな?
〈お、おう。じゃあハックするぞ〉
そしたら暗黒の空間にいた。
そこには外の映像が映し出されていて、敵の攻撃を華麗によける俺がいた。
つまりユグはこういう空間で俺たちを見守っているのだ。
偉かったなユグ。
てか、そういう話じゃない。
シュウを倒せなかったら終了するんだ。
どうしようか。
「そろそろコレも切れるのか。ユアが裏切らなかったら……しかたない、これだけは使いたくなかったのだが……」
そういったシュウはユアの腹を貫いた。
「「「なっ!」」」
全員驚愕、その後硬直。
理由は言うまでもなくない。
この中で一番強かったであろうユアの腹を手刀で貫いたから。
「嘘……だろ……」
そう言いながらユアは地面に倒れていった。
「いや、それはないわぁぁぁぁぁぁぁ!」
発狂してやった。
ほんとにないわ。
「何がないのだ。我が能力によった攻撃だぞ?」
「嘘つけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
何が悲しくて最強のやつをワンパンされなきょいけないのか。
ほんとにないわ。
ワンパンとかほんとに要らない。
「嘘ではないぞ?我が能力だ。」
「いつまでごまかすんだよ!」
いや、やめよう。
クソ、超状況が悪い。
ユアの回復を待つしかないか?
クッソもう
「くそったらぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は無謀に襲い掛かった。
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