貴族たちの会議
魔王であるネツの建てた国の名前は
そこは虹のような結界で守られているが、四季ははっきりしている。
温度調節もばっちりされており、夏は涼しく冬は温かい。
働けば働くほど給料は増えるし不満を起こさないようアンケートも行い、不満を解除できるよう対策ををほこどしている。
ニートもいないわけではないが、それは働きたくないという者だけであり全員が適材適所の仕事についている。
ニートには最小限の金も用意されてはいるが、どの仕事よりも格別に安く、生活ギリギリと少しというほどに少ないのだ。
不満は起きないため、犯罪も起きない。
ある意味最高の国ともいえる。
貴族も存在するが貴族が特別な存在というわけではない。
書類仕事がたくさんできるという意味でしかないのだ。
ただ会議に参加でき、国の決定ごとに口を出せるという利点しかない。
お金がもらえるという点では一番の仕事だが、会議の参加以外には軍団が使用できるということのみ。
個人の力が強い場合もあるのだがそれでも書類仕事にたけているものが選ばれているというだけである。
だがそれは公爵までの話。
大公の爵位を持つ者は飛びぬけて強いという噂が流れている。
電気の明かりがつく部屋で、7人の者が待機している。
その者たちは龍魔帝国ドラゴワールドの貴族である。
その名は……
大公爵……
公爵……魔神族 レガルダ
侯爵……
伯爵……
子爵……
男爵……鬼王 ユカス
騎士爵……
という。
そして、集まってから1時間ほどたったころ。
場違いにも8歳ほどの少女が入ってくる。
ここは少女が入ってきて居場所ではない。
だが、それでいいのだ。
少女が連れているのは
そして
少女の名は、帝王 ネツ。
ここで、貴族だらけの会議が始まろうとしていた。
「さて、まずはどんな話をするっていうのを考えよっか。」
というネツの言葉に、反論する者はいない。
なぜならそれが当たり前なのだし、ネツの言っていることは正論だからだ。
「じゃあ、一個。予算を考えないとね。」
「なんのですか?この前予算は決めたでしょう?」
ネツの発言に疑問を覚えたのはギズルである。
「うん、まあ決めたけど、また新しく決めなきゃかな、と。」
「それはなぜでしょう。」
という対応をする2人。
2人の会話は貴族的にも重要な話である。
がゆえに、ほかの貴族は口を話さないだけだ。実はほかの貴族も疑問を覚えているのだ。
「実は3人程、このお城で住まわせるつもりなんだ」
「なるほど……では3人分の予算ですね。1年で大体3000万くらいでしょうか。」
「うん。まあ大体それぐらいかな」
2人の会話で恐るべきは2人の思考能力の高さである。
ネツは問題ない。『
ただギズルは違う。彼もレジェンドスキル.『
つまりギズルのかしこさはスキルに頼ったものではないということで……
意味するところは素脳ではギズルの方が賢いのだ。
そして、ほかの貴族たちもだんだんと理解していく。
その後も会議は行われた。
「オッケー。じゃあどこにいるかはわかんないけど謎の化け物のために結界を強化しようか。」
「ハッ。」
こんどそれに答えたのは、レガルダである。
彼は、結界を張るなどの作業がとくいなのだ。
さらに。
「ネツさ、ネツさ、リギドがなんか言おうとしてるよ?」
ルキアが言い、それにリギドが答える。
「ネツ様、部隊の数がまとまりましたゆえ、ご報告します」
「相変わらず固いねえww」
「公共の場なのでどうかご理解願いたく。」
笑いながら答えるネツと、それに反応するネツだが、その目は笑っていない。
当たり前のことだ。戦力がわからず部隊を送り込んだとして、弱ければ返り討ちになってしまう。
『真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である』
ナポレオンの名言だが、これをネツは徹底しており、より部隊の中から死者を出さないようにしているのだ。
・・・・・・・
重装部隊……300人
魔法部隊……300人
特攻部隊……300人
魔人部隊……500人
帝王護衛部隊……50人
・・・・・・・
というのがリギドから言われた内容である。
重装部隊はその名の通り重い鎧を装備した部隊である。
魔力量は少ないものの重い攻撃と耐久力がうりの部隊だ。
魔法部隊というのもその名の通り魔法攻撃を得意とした部隊である。
魔力量が多く、中には核魔法を使うものもいるほどだ。
特攻部隊は剣技など近距離戦を得意とする部隊だ。
その素早さを生かした攻撃をするので重装部隊の正反対といえよう。
魔人部隊は、ネツを慕う魔人たちがなす部隊である。
いろいろな種族がいて、
龍魔帝国ドラゴワールドの、最強部隊なのだ。
そして、帝王護衛部隊。
50人しかいないが、重装部隊、魔法部隊、特攻部隊、魔人部隊の中から強い者順に選ばれてる。
100人いたならば、こっちの部隊が最強だっただろう。
*
5時間たったころ。
貴族達の会議は終了する。
この時マークは呆けている最中である。
(貴族達、結構反発しなかったね)
ネツは笑う。
(そう。今度は何も起こらない。起こさせない。私は、もう誰にも理不尽な不幸を押し付けないの。ボルケーノはもう限界。私が、止めなくてはいけないの。)
ネツは誰かが殺されるのを許さない。
マークやその姉弟すらも飲み込んで、この世の不幸をすべて消し去って見せようと思うのだった。
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