転生編
転生した
んん?
眠いな~
てかんなだここ
あったかくて……
水の中……?
水の中!?
お、おぼれるか!?
あれ苦しくない。
なんだ?
そもそも俺は誰だっけ?
待て待て待て待て
落ち着け俺。
こんな時はいったん深呼吸。
そして…
俺はの名は有中信事ありなかしんじ
四十歳直前のサラリーマン。
彼女はいない。
そもそも付き合ったことがない。
だったはず……?
うむ。覚えてる。
だが、動けないしまず体がちょっと……
ちっちゃい気がする。
まあ気にせいだろうけど……
にしても、なんで俺こんなところにいるんだ?
えっと……
《ザザザザザ……》
記憶をたどるとノイズが出てくる。
気にせず掘り起こせ。
《ザザザザザ……》
うるせえ邪魔するな。
俺は記憶を思い出したいんだよ
《ザ…ザザザ……》
《ピチョン》
水面みなもに水滴が落ちたような音がした後俺は全てを思い出した。
そうだった!
俺はトイレに行った後机の下にパソコンがあったのに気づいて覗くとこんなことになってたんだ!
どういうことかはわかんないがな……
そして俺はもっと詳しく記憶をたどる。
俺は4月4日に生まれた。
信事という名は人を信じれる人になってほしいというのが由来らしい。
学校の成績は普通。いいわけでも悪いわけでもなかった。
会社は人を育成する会社についた。
人を育てて、会社で役に立てるようにするという先生のような仕事である。
先生になりたかったわけではないが、人にものを教えることはあこがれだったからな。
それなりに働いて、それなりに出世して、それなりに社会の役に立っていた。
好きな曲はボカロ曲だったな。
この人の曲が徹底的に好きってわけではなくいろんな曲が好きだった。
このまま結婚しないで爺になって死んでいくのかなと思わなくもなかったが、人生もそれなりに満足してたさ。
兄も姉もいるから結婚する必要はないのだ。
とまあ、記憶をたどってそれなりには思い出せた。
だけど、意味わかんないのは変わらないがな
でもこの中も気持ちいいんだよな……
まって、俺こんなところ知ってるような……
ん……?
え、まさかね。
まさか、俺死んだ?
え~ないわ~
ということはこれは噂の異世界転生ってやつか
ええ~……って待てよ?
これは…
よしよし、すごいな、まさかそう思った通りとは……
え?何をしてるって?
やだな~異世界転生といったらスキルでしょうス・キ・ル!
天才が望みだったと思ったのと、雷が使いたいと思ったら思ったよりも簡単に獲得できた。
うん。やはり転生して異世界にきたようだ。
異世界なら魔法も使えるはず……
だがここはどこだ?
ううん……
〈子宮と推測される〉
ん!?
やはりというかなんというか
ここは誰かのおなかの中といったところか……
うむやはり。
ここで天才カシコサが役に立ったな。
あ、あー
ひまだ。
待つか。
それは急な出来事だった。
「あなた、無事に生まれましたよ!」
という声に寝ていた俺が目を覚ますとそこは外の世界だった。
「おお!」
という声と同時に俺が抱きかかえられる。
多分、今俺を持っているのが父親で、そこで笑っているのが母親だと思われる。
ていうか、確定。
だってよ?そこで笑ってるやつが俺を産んだということは確定だし『あなた』と言われて返したのが今俺を抱えているやつなのだから
めんどくさいな。
また小学生からやり直し……って待てよ?
俺は前世の記憶を持っている。
これはもう飛び級でいけるんじゃないか?
なんて思ってた時期が俺にもありました(2分ほど)
ここ異世界。
そして、気づいたことがもう1つ
角。
母親にも父親にも、あとからやってきたのも(多分だが別の家族の子供か俺の上の人だろう)全員が鬼の角が生えているのだ。
!?って思った。
こんな時こそ天才カシコサの出番なのだよ!
〈種族:鬼人〉
あ~やっぱしね。
どちくしょうめっ!!
なんで俺鬼になったんだ!?
だが答えてくれなかった。
ったく。
ていうか、やはりというか俺は寝た。
赤ん坊の宿命ってやつだろう。
*
起きた。
ずっと朝早くから起きて会社に行ってたのだから別に3日寝たっていいだろう。
むにゃむにゃ。眼が開けにくいな。
あと5分……あ、これだめだとか言って1時間以上寝ちゃうタイプだ。
よし、目を開けるぞ!
ガバッ
「お、起きたよ~」
「ち、ちっちゃい……少し触っただけでも壊れそうだ」
「起きた?眠ってる時間長かったね」
父親らしき人はここにいないが、それでも起きてる人は顔を近づけてきた。
その距離、わずか20cm。
「近いな……」
あ、やべっ本能で言っちまった
疑われる……?
「え!?すごいすごい!早うたがわれなかった。ない!?喋ったよ!!」
「本来こんなに早いもんなのか?」
「それはないわ。この子天才かも!!」
思ったよりもうたがわれなかったな。
珍しいことではないのかも。
いや、無いな。
『それはないわ』って言ってたもんな
俺、もしくは転生者がそんな感じなんだろうな。
その後。軽く自己紹介をしてもらった。
母であるサクラ。
姉である天照アマテラス
兄であるルーフィ。
そして、俺。次男のマーク。
これは父であるウィラがつけたものらしい。
が、俺は騙されない。
天照アマテラスって、絶対名前の質が違うもん。
〈これは、神の手の者と推測する。〉
え?神の手の者?
なにそれ?
〈神の手の者:に選ばれたものが、神の代理であるゼウスがつけた名前を持つ者のこと〉
ふむふむなるほど。
そういうことか。
俺は、
うむ。まあ、わけのわからないことはわからない。
もう会社に行く生活もなくなった。
ここで一生を暮らしちゃうのもありかな。
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