第2話 聞こえてしまった。
食事を済ませた早紀「ごちそうさま。今から、百合とリモートするから部屋に来ないでね」
「分かったけど、明日も学校なんだからね。遅くまでしないでよ。」
「はい、はい。分かっている。」話を終わらせるように戻って行った。
「子ども同士でリモートね。やらせていいものなのか?」
「いいんじゃない。反対する理由もなし。」
「そういうものなのか。リモートに気疲れとかしないものなのか?」
「気疲れ!?友達同士だし、しないんじゃない。」
「ふーん、そう。」
自粛期間中に、仕事でリモートを使って、本当に気疲れしたのだろう。健司も食事を済またようで、立ち上がって「風呂に入って来るわ」とリビングから出て行った。私も後片付けを済ませようと、キッチンで食器に洗い始めることにした。
片付けが済んで、寝室に行くと、健司はお風呂に入り終えて、リラックスモードに突入していた。寝室に入って来た私に気づいて、振り向いて、手招きをしてきた。嫌な予感がする、近づいてみるお風呂上がりの爽やかな香りが漂ってきた。
「なあ、早紀って男と付き合っていたのか?」小声で話してきた。
「知らないわよ。本人に聞けば?」付き合っている人がいることは知っていたが、娘の恋愛話を夫である健司に逐一報告する必要性はない。
「そんなこと、できわけないだろう。」と声が張る。私は呆れて、深くため息をついてしまった。
「ただリモートで別れを告げるなよ。」健司はボソッと言った。
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