陸ルート2
パンツスーツに身を包んで歩いて駅まで。またしても電車。
孝子のご指導のおかげで、メイクも上手くなり履歴書の写真を新しくしただけで以前より書類選考で落とされることが減ったように感じる。これだから男ってやつは、と思ってしまう。まぁ、スタートラインには何とか立ててゆっくりだが走りだせている。
今日も今日とて面接だ。
洋子は就職活動が進み、最近あまり
付属短大の就職課にOGのいる編集プロダクションを紹介して貰い、次は社長兼編集長との面接だという。今のところ好感触とのことだ。
ヒロシは内定が貰えたから遊べるという訳でもなく、事前に用意する書類の用意やその他の内定者との親睦会などあり羽を伸ばせるのは少し先とか。
宗則はというと、内定の出た会社は書類の用意などこそあるが、親睦会などはなく、システム系ということもあって人間関係はドライな職場だと笑っていた。
但し、ヒロシと違って上京組の宗則は実家から通勤できないので、都内に新しくアパートを探すか、今のアパートから通うか選択を迫られている。
だけどおそらく、今の茅ヶ崎のアパートから通うことになるだろうと私は思っている。いくら宗則とはいえ千宏ちゃんと付き合い始めてすぐのこの時期に距離が遠くなる選択はしないだろう、きっと。
あと、半年そこらであの部屋が片付くとは思えないんだよね。
孝子も私と同じで大きな進展はなく、たまに面接、良くて二次面接止まり。だけど、夜のバイトはずっと変わらないペースで続けている模様だ。
そういえば、千宏ちゃん。夏休みに入って間もない頃、卒業検定3回目にしてやっとのことで中型免許の技能試験に合格したそうだ。
あとは免許センター《ふたまたがわ》に行って学科試験に受かれば、晴れて免許証が交付される。
ご両親は教習所こそ許していたけど、まさか千宏ちゃんが本当に免許を取れるとは思っていなかったようで、いざ免許取得が現実味を帯びてきた段階で一悶着あったらしい。
サークル代表ってのでユキと宗則が、さらに宗則は彼氏として説得に出向いた。
わかっていたことなんだけど、宗則は優良株だったんだなって改めて実感した。
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