八王子ラーメンツーリング2

 ラーメン屋は如何にも老舗って外観で、どちらかというとネットやドラマで観た中華そばと呼ばれていた時代を彷彿させる。


 やはり7台もで押しかけるのははばかられるので2回にわけて入店した。最初に私と宗則と千宏ちゃんとユキ、次に洋子とトモくんとトマトと辛島。洋子と辛島って組み合わせに若干の不安はあったが、トモくんとトマトがいるので何とかなるだろう。それにお互いにラーメン食べる程度の時間で険悪になるほどガキではない、ハズ。


 ユキがいるのでラーメンについてのうんちくを語ってくれた。

 ユキの説明を話半分で聞いていたので大雑把だが、醤油ベースのさっぱりスープとトッピングの玉ねぎが主な特徴と言うことだった。みんな玉ねぎマシのオーダーで頂いた。千宏ちゃんは見た目は小さいが私よりは食べられるようだ。


 澄んだスープに大量の玉ねぎだが、その玉ねぎの甘みがすごく美味しい。

 基本的にはこってりが好きな私だけど、さっぱりスープに玉ねぎの旨味がクセになりそうだ。


 今日は珍しくおかわりや追加オーダーをしないユキ。

「ユキ、もしかして(無駄な)ダイエットとかしてる?」

「キョウちゃん、今なんか変な間がなかった?」とユキ。鋭いな。

「帰りに寄りたいところがあるんだよー」と。もしかしてこの女さらに食べるところ行く気なの?


 とりあえず、先行組の私たちが食べ終わる前にグループLINEに連絡をいれて、一度お店を出て近くのスーパーか図書館で駐輪場が開いてる方を目指した。

 先に行ったスーパーの駐輪場が空いていたので、そこにバイクを停めて、地下の百均を冷やかす。キャンプ用品で使えそうなもの等をユキの説明うんちくで物色する。

 今年は無理だろうけど、社会人になっても(なれるのか若干アレだけど)、もし行けるのならばいつかまた北海道には行きたいと思う。そして今度こそ完全ソロキャンで。他にも、北の次は南って手もある。九州ツーリングも面白いかも知れない。ただ、その場合キャンプではなさそうなのよね……。


 ゆっくりしていると、トマトからグループLINEにそろそろ食べ終わりますってメッセージが入り、居場所を伝えた後、気になったものをいくつか持ってレジに向かう。

 スーパーの駐輪場はほぼ私たちのバイクで一杯の為、すぐに外へ。地上に出てバイク駐輪場に着くのと、みんなが到着するのがほぼ同時だった。聞こえてくる排気量違いの単気筒2台とホンダ製の4気筒マルチ2気筒ツインのカルテットは美しい音を奏でていて、「あぁ、いつもカワサキの不整脈マルチがいてゴメンね」と心の中で呟いた。


 みんなで集まり、隊列を決めて再出発。……なんだけど、ここまでで驚いたことが二つあった。

 一つは宗則が普通に千宏ちゃんと話せていること。見ていて気付いたのだけど千宏ちゃんは女版トモくんなんだね。

 千宏ちゃんのテンションと宗則の抑揚のないテンションが上手く噛み合っている。私たちは宗則にほぼバイクの話題しか話し掛けないけど、千宏ちゃんはなんでもかんでも思ったことを垂れ流している感じ。だけど、それで宗則も普通に話していて会話が盛り上がっている。宗則に対して先入観を持って接していたのは寧ろ私たちの方だったのかもしれないと気づかされた。

 二つ目は、ラーメンを食べて帰ってきたら普通に、いやどちらかというと仲良さげに洋子と辛島が話をしていたこと。ラーメン一杯の間に何があった? 近いうちにトマトを飲みに誘って詳細を聞き出そう。

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