第3話
この世界で魔法を使うには、「魔法」スキルを手に入れ、SLvを上げる。そうすれば新たなスキルが覚えられて、魔法によって決まっている量のMPを消費することで使用出来る。そしてその魔法を出すには、自分が魔法を出す事を意識し、魔法の名前を口にする。ただ魔法の名前を口にするだけじゃ無理だ。もしそれだけで魔法が出たら、FO内で魔法の話ができなくなってしまうからな。
使う魔法はスキルショップに売っているがこれは初期の魔法のため弱い。
それなら覚えられる魔法は全員が同じにになるんじゃないかということになる。まぁ確かにそれはそうなるが、それは少し違う。属性のスキルによって覚えられるものが違うし、ステータスによって覚えられるスキルがある。これは中にはステータスが似ていたり、条件を満たしているステータスの人が他に居ると同じスキルを手に入れる人もいるかもしれないが、同じスキルを持つ人はごく一部に限られるのだ。
このような魔法を「
一方、剣の方も「
スイングスキルを使うには、まず自分の剣の種類のスキルを買う。そのスキルのSLvを上げると強いスイングスキルが使えるようになる。後は自分の出す技を頭の中でイメージして、そのモーションに入るとシステムアシストがはたらき自動で技が出せる。でも、出す技とそのモーションは自分で覚えるしか無いのだが……たが心配は無い。メニューのスキルに自分の使えるスイングスキルが記載されており、そこにスキルの説明があるので少し練習して覚えれば普通に使えるようになる。
ただ、注意しなければならないのがスイングスキルを使った後の約五秒間動けなることだ。そのため使い方は考えないといけない。
スイングスキルにもやはり、ステータスによって覚えられる「
それから、自分のステータスを育てる「
とまぁ、俺が事前に攻略サイトで調べた情報をまとめるとこんなもんだ。
☆ ★ ☆
俺ははじまりの草原に来て、既にゴブリンやノライヌ、ノラネコを倒していた。そして今十体目のゴブリンを倒したところで休息をとる。
「ふぅ、疲れたー」
俺は一息ついて座り込み、のどかな草原を見回す。
周囲一帯、風景を邪魔するものは木の一本たりともないだだっ広い草原。春の陽気を思わせる穏やかな日差しが照りつけ、優しい風が草をなびかせる。この草原の至るところでゴブリンやイヌ、ネコというMobが徘徊しており、それらと戦う、俺と同じような初期装備のプレイヤーの
「あ、そういやどうなったかな?」
不意に思い出して俺はステータスを確認した。
name:NEST
Lv.4(70/90)
HP50/64
MP30/30
装備
武器:初心者の両手剣
防具:頭 布のバンダナ
体上 布の服
体下 布のズボン
腕 無し
足 無し
STR:9
VIT:5
INT:8
MND:3
AGI:7
スキル
「ステップ」SLv2「回避」SLv2
おっLv.4になってる。それにステップや回避がついてる。まぁあれだけ避けまくったからな。
で、アイテムはどうかな?
「亜人の肉」7「犬の肉」5「犬の毛皮」6「猫の毛皮」8
ほぅこんなもんか。よし、早速帰って売るか。
そうして立ち上がった俺は急いではじまりの街にもどった。
説明しておくと、STRは攻撃力、VITが防御で体力の最大値にも影響する。INTは魔法攻撃力、MNDは魔法防御力とMPの最大値、AGIは素早さで反応速度にも少し影響する。
FOでこれらの能力はレベルアップによっても上がる。
ゲームを始めたばかりのプレイヤーたちが生誕し、賑わいが増すはじまりの街に戻った俺は道具屋に直行し、アイテムを売り来た。
道具屋のNPCの店員に話しかけ、トレードウィンドウを開き、そこにさっき取ってきたばかりの「亜人の肉」「犬の肉」「犬の毛皮」「猫の毛皮」を乗せた。
しばらくして店員から返ってきたウィンドウを見ると一六二五フィルが入っていた。
うんまぁこんなもんだな。そうだ、値段を聞いてみるか。
「何がどれぐらいなんだ?」
「亜人の肉が一つ七五フィルで犬の肉が一つ五〇フィル、犬の毛皮が一つ六〇フィル、猫の毛皮が一つ六五フィルです」
おぉなるほど。やっぱまぁまぁだな。
まいっか、とりあえずスキルを買いに行くか。
ということでスキルショップに行った。そこで売っていたのは、『ステップ』や『ジャンプ』などといった基本的な物から『釣り』や『泳ぎ』『料理』というような趣味系のスキルまである。その中でも俺が気になったのが『光防』というスキルだった。
何だろうこのスキル。光の防御?
とりあえず『光防』は置いといて今必要なスキルを買うことにした。
因みに、取得出来るスキルの数に上限は無い。ならば買えるスキルは全て買えばいいじゃないかということになるが、そうしてしまうと全てのSLvを均等に上げることになる。それだと、メインで使うスキルのSLvが低くなって弱くなってしまうのだ。だからといって逆にメインのスキルを中心に育てるとやはり買う意味が無くなる。フィルの無駄遣いなだけだ。
そのようなことから取得するスキルを選ぶことも重要な戦術なのだ。
これはマナ談だが、確かに言われてみればそう思う。
で、結局俺が買ったスキルはこれだ。
『魔法』『魔法技術』『両手剣』『両手剣技術』『ジャンプ』『水魔法』『身軽』
『魔法』は魔法が使えるようになるスキル。『魔法技術』はMPの最大値を上げ、INTを少し上げる。『両手剣』は両手剣のスイングスキルを使えるようにして、『両手剣技術』は両手剣を使った時のSTRとクリティカル率を上げる。『ジャンプ』は高くジャンプすることができる。基本は戦闘時の回避の手段として使う。『水魔法』は水属性の魔法を覚えることが出来、水属性の魔法の威力を上げる。『身軽』はAGIを少し上げてジャンプする距離を長くする。
この7つのスキルと先に戦闘で手に入れている『ステップ』と『回避』がある。
『ステップ』はステップして動く。『回避』は反応速度が少し早くなり、反応して避けるのをイメージした方向にシステムアシストがはたらいて敵の攻撃を避ける。
話が長くなってしまったが、俺の持っているスキルの説明わこんなもんだろう。
あ~あ、またフィルが無くなったな~。ま、仕方無いけどさ。――そうだ! 今何時だ?
俺は右手の人差し指で《W》を書き、メニューウィンドウを呼び出した。そしてそのメニューの一番左上にある時間を見てみると六時二五分だった。
「あっ、やっべ」
俺の家では6時30分に食事をする事が決まっている。それに遅れると親(特に母)から言葉がとんできて面倒なのだ。呼びにこいよ…とも思うが……そういうことだから早くしないと。
ということだから俺は今出しているメニューの一番下にあるログアウトボタンに触れて、その後出てくる『本当にログアウトしますか?』という確認をイエスにしてFOから出た。
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