第20話 ママあのね、学校でね・・・

学校には色んな子がいる。


ぼくのことを変わってるっていう子もいるけど、

ぼくからみたらその子の方が変わってる。


京子先生が、給食の後にみんなに言った。

「今日はいい天気ですね~!

気持ちいいなあ。

みんなで外でおにごっこして遊びましょう~!」


みんながわあって階段を下りてる時、

背中がばあーんってなってからじんじんしてきた。

まわりを見ると、そこに佐藤俊がいた。


まただ。やられた!


佐藤俊はニヤッとした後、何食わぬ顔で階段をすーって下りて行った。


でも、またしてもママがいう

「痛いよ!やめて!!」

っていうこうぎの言葉を佐藤俊にいうことはできなかった。


そんなことを心の中でぼんやり考えながらいると、

側では

みんながだんごになってすごい勢いで階段を下りてくる。


ぼっとしてたぼくは、ふらっとバランスをくずして倒れそうになった。


人が多かったから、あと一段階段があったことにも気が付かなかった。


そして、平らな地面に次の一歩を出そうとして

すってん!

って転んじゃった。


いっしゅん地面の上と下がひっくり返った気がした。

からだがふうわりと飛んだ。


ゆっくりと過ぎたような一瞬だったような時間が過ぎると、

ぼくは、

「痛たたた!」って

階段の一番下まで落ちて、しりもちをついてた。


「だいじょうぶ?!」


真っ先にとんできたのはかすみちゃん。

他に何人かの女の子が、しりもちをついたぼくを見下ろして心配そうな顔をしてる。


こんな時、なんで女子は集まってくるのかな?


「大丈夫?いたい?」


「保健室行った方がいいよ!」


「みんなでカイ君連れて行こうよ!」


「行こう行こう!!」

って言うと、たちまち女子は盛り上がってぼくの手を持ち上げて保健室に行こうとした。


「・・・」


なんか言いたかったけど、倒れたショックでなんにも言葉がでてこない。


(いつも言葉がなかなかでてこないことが多いんだけどね・・・)


女子に付き添われながら保健室に行くと、綾先生が

「まあ、ケガした?どこ?見せて?」

って心配そうな顔でぼくをのぞきこんだ。


「綾先生!カイ君、階段から落ちてケガしたんです!」

「ひざから血がでてます!」

次々と女子が話すと、綾先生は一瞬深刻な顔になってみんなに聞いた。


「だれかにつき飛ばされたの?だれか見た?」


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