第18話 斎藤さん=ケンちゃん

ケンちゃん(おじさんだけどケンちゃん。)はね、

ばーばの家の近くに住んでて、

いつも

「ガハハハッ」って笑う面白いおじさん。


ぼくはあんまり知らなかったけど、

ばーばとケンちゃんは『幼なじみ』なんだって。


(『おさななじみ』ってなんだろう。『おさ』が『なじみ』?わかんないや・・・)


よく海で釣ったお魚を持ってきてくれたり、

「ガハハハッ!」って笑いながらばーばのとこに来て、

お茶したりお話してたみたい。


ケンちゃんが来ると、家の中の空気が

「ガハハハッ」の空気になる。

みんな

「ふふふっ」って顔になる。


ママは、

「カイ、ケンちゃんまだその辺にいる?」

ってあたりを見回した。


そして、


「ママには見えないけどね・・・

見たいかどうかも微妙だけど・・・。


なんだか怖いような気持ち悪いような、

来てくれて嬉しいような・・・


なんだろう・・・

わからないわあ・・・


ケンちゃんこのまま天国行っちゃうのかなあ・・・?

できればまた戻ってきて・・・ねっ!」


そう言ってママは黙ってしまった。

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