第17話 斎藤さんて・・・だれ?
「ほんとう?ほんとうなの?・・・」
ママはしばらく真剣そうな顔で考えてた。
そしてぼくの顔を見ながら聞いてきたんだ。
「さっき動画で『斎藤さん!』ってカイ言ってたけど、あれはなに?」
「なんで斎藤さんのこと知ってたの?」
「どういうこと?なんで斎藤さんって言ったの??」
ママは続けざまに質問してきた。
「・・・。」
わかんないからだまってたら、
「なに?なんで?どういうこと??」
って言いながらママは頭をかかえた。
さっきスマホでばーばが驚いたような大きな声でお話してたから
聞こえてきちゃったんだけど、
倒れたケンちゃん
(おじさんだけど「ちゃん」。まあいっか。)
みょうじは
【さいとう】
なんだって。
しかもそのおじさんが倒れて意識がなくなったのが
今日の朝。
ママはちょっとパニックになってきて、
「ねえカイ、なんで斎藤ケンちゃんのこと知ってたの?」
「・・・。」
「ばーばの家からうちまで車で遠いけど、ケンちゃんよくカイのこと
『かわいいかわいい』とか
『おもしろいな~このガキ!』って言ってたよね。」
(おじさんはかわいがってくれたみたいなんだけど、口が悪いんだ・・・。)
「・・・。」
たたみかけるように何回も続けて聞いてくるママ。
相変わらずだまってると、
はっとした顔になってママが言った。
「そうか!ケンちゃんうちに来てたの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます