第14話 夏休みのおまけじゅぎょう

夏休み!

うれしいけど、プールのほかにもう一つイヤなことがあるんだ。

それは、おまけじゅぎょう。


普通のおまけは嬉しいおまけだけど、このおまけは全然うれしくない。


今日は算数のおまけじゅぎょうの後にプールっていう、

がんばりがいっぱい必要な日なんだ。


こんだけがんばったら、アイスをいっぱい食べていいとか、

プリンもゼリーも食べ放題とか、

何か楽しみなことがあるといいんだけど・・・。


そんなこと考えながら家の近くの坂道を歩いていると、

いつもの田中さんと犬の散歩に出くわした。


いつものように、わんこは道の反対側から、

びっこを引きながらぼくの方に向かって

「くう~ん」って寄って来ようとした。


白いわんこだけど、顔のまわりや胸のあたりに

汚れのような模様のような茶色い色の毛がある。

田中さんみたい。


思い出した。

わんこの名前はタロウ。


この前おばさんが、

「ほんとの飼い主は死んじゃったんだよ。かわいそうにね。」って言ってた。


飼い主は田中のおばさんじゃないのかな?

ほんとの飼い主ってだれだろう?


ちょっと不思議に思ったけど、すぐに忘れた。

プールバッグを振り回しすぎたんじゃないかと気になったんだ。


また水着をどこかにおいてきたら、ママにすっごく怒られそうだもんね。

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