25 私達の手で排除する!
ミシェルはシヴァを拾って東区に向かった。
「サーム!」
「サミュエル!」
外灯の光もない暗い道路をミシェルとシヴァは夜目を使ってサミュエルを探す。するとシヴァが急に叫んだ。
「ミシェルっ!」
ミシェルは振り返ってシヴァの姿を探す。階段下の
「見つかった?」
近付くとそこに人影はシヴァのしかなく、彼は振り向かず地面を
脱ぎ捨てられたにしては不自然でシャツからジャケットまで
「サ、サミュエル?」
シヴァの表情は暗くなり拳を固く握り締める。ミシェルは近寄り崩れ落ちながら服を手に取った。
「間違いない。昨日サムが着てた服だ。けど、こんなことって…」
サミュエルは消滅してしまった。
死んだのではなく消えたのだ。
同種の肉体は生気を全て失ってしまうと、その形状を保てずに
その日の内に
我が物顔で街を
午後4時に6人の男女がランコントルに集まった。
いずれも見目麗しい美男美女ばかりで、しかもミシェルの元に来るのは外国人を
「サミュエルが
サミュエルの消滅に皆驚き青ざめた。ミシェルだけでなく隣にいたシヴァの重い表情をしていた。
「サミュエルは犯人らしき人物を尾行した末に返り討ちに遭った。同種を
3日間周辺を張り込んだけど姿を見せなかった。どうやらよほど勘の働く奴なんだろうね」
腕を組み淡々と話すミシェル。
だが、その内に沸々と煮えたぎる感情を秘めていた。
「同種殺しは最も無意味な行為だ。私達の少ない生気を吸い取ったって腹の足しにもならない。けど、奴はサミュエルに後を付けられたという理由だけであの子を襲った。
邪魔だから排除した!
これは絶対に許されることじゃない」
ミシェルの怒りに皆息を呑む。ひしひしと伝わる憎悪に緊張感が走る。
「"
"粛清"とは社会にそぐわない同種を同胞の手で始末することだ。ミシェルは
「奴を見つけ出し私達の手で排除する!
みんな協力してほしい。犯人を追い詰め裁きを下しその
皆頷き、サミュエルの報復を誓った。
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