第2章 正義の人

第17話

こんな能力ちから。欲しくは無かった。


私達の…いや、私の手は…汚れている。誰かの血で、真っ赤に染まっている。


──なぜ?


自分たちの世界の為に関係ない人を巻き込んだから?


──なぜ?


こんなの間違っているとわかっていながら、見殺しにしたから?


──違う。


私の手が汚れたのは…この世界が破滅へと歩み始める前。


私の手は……いや、私の加護ちからは。


どうしようもなく……真っ赤に染まっている。


……誰かが言った。


道具は意思を持たない。加護もまた同じだと。


良くも悪くも、使う人次第だと。


そんなのは……無理だ。


私の加護は……どうやって正しく使えばいい?


人を傷つける事しか出来ないっていうのに。


……だから私は。


──こんな加護ちから……。欲しくなんて……なかった──

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