第9話レジスキル最強!

「眠矢っちー。これはどんな物語なの?」


 既読。


「これはね。主人公のレベリーナ・オスカリ、現世では梶谷右京って名前だけど。トラックにはねられそうな子供を助けようとして異世界に転生して。そこで勇者として魔王を倒すことになるんだけど。その異世界で出会った仲間たちから逆に『お前の能力は地味で役に立たないからパーティーからクビね』と言われてしまい。一人でどうしよーと思ってたらまあ捨てる神あれば拾う神ありで別のパーティに加わることになって。そこからもともと最初にダメ出しした仲間から『えええ!レベリーナさんの能力って実はそんなにすごい能力だったんですか!戻ってきてええ!』と言われるも『知るかー!』とざまあ要素も取り込んだ作品なんだあ」


 うわあ…、ベタだ…。読まなくても内容は想像出来ると思う僕。でも眠矢君を元気づけないとと思った僕。


「へえー。その主人公のレベリーナ・オスカリの能力って何っすかね?実は大器晩成型みたいな?」


 既読。


「レジスキル!」


 なにそれ?と思う僕。


「え、あの有名なぽけもんの?」


「違う!それはレジすちる!僕のは『レジスキル』!コンビニとかの『レジ』のやつ!」


「ごめんねごめんねごめんねえご。それで『レジスキル』ってどんなの?」


「まずね。レジを打つスピードがめちゃくちゃ速いの。なんせ現世の転生前の主人公はコンビニバイト歴が長いから」


「へえー。面白そうじゃん」


「でしょ!他にもね。バーコードスキルも使えてさあ」


「バーコードスキル?」


「そう!アイテム『バーコードスキャナー』を使うことで敵の戦闘能力や特殊能力をレジのバーコードみたくピッとやれば把握することが出来るのですよ!」


 へえー、その発想は面白そうだと思う。レトロゲームのバーコードで戦うやつとかの発想に似てる。そう言えば音楽CDを読み込んでモンスターを誕生させ戦わせるゲームもあったような。


「それは特許とるべき!似たような能力ってありそうであんまりないじゃん!」


「でしょ!その『バーコードスキル』も成長して最終系だと学習した『バーコードスキャナー』から数値を打ち込むことで一度見た能力を再生出来たりね」


「ほうほう。それはあったら便利?みたい。てか無敵じゃね?」


「でしょ!他にも『レジスキル』は手先が器用だったり、袋詰めが早かったり、一人で大多数の客を手際よく捌いたり!」


「え?一人で大多数を手際よく捌くの?それなら仲間いらないじゃん!」


「敵は行儀よく列を作って待ってはくれないでしょ!」


「あ、そっかあ。すまねえ」


「まあ、コンビニバイトの仕事ってかなりいろいろやらなきゃいけないことが多くてさあ。それを考えてたらそのアイデアが浮かんできてね。すごくね?受けると思うでしょ?」


「うんうん。面白そう!読んでみるぞよ!」


「ホントに!?でもまあまだ三話までしか書いてないんだけどね」


 思わずズッコケる僕。三話の段階で『読まれない』って言われても…。

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