クリスマス。



街中はグリーンと赤の装飾が飾られ、クリスマス一色になる季節が始まった。

私はこの季節が嫌いだ。

一昨年までは早くクリスマスにならないかと思っていたけれど、去年もそして今年も出来ることならば、早く過ぎ去ってほしいと思うようになった。


それは、一昨年のクリスマスにあなたが私の前から居なくなったから。

それも、突然何の前触れもなく。


クリスマスに自宅に帰ると、

テーブルには「ごめん。今までありがとう」

と書かれた手紙と鍵が置かれていた。

「今年はチキンとケーキ食べよう」と約束していたはずなのに。


理由は分かっていた。

家族の元に戻っただけだろうと。

私がいけない事をしていて、いけないことを要求していた事も、いつかこんな日が訪れるだろうということも分かっていた。


ただ現実をクリスマスに突きつけられて、

夢から醒めたような気持ちになった。

世の中が幸せを味わう日に、私は買ってきたケーキを一人で泣きながら食べた。

何故私だけ?

甘いはずなのに、その時に食べたケーキは涙の味しかしなかった。

その日から、私はクリスマスが嫌いになった。


あの日から私はクリスマスという単語を聞くたびにあなたを思い出す。

元気にしてますか?

あなたはクリスマスになると私を思い出してくれますか?

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