満月を見上げれば。



空を見上げれば、

夜道を歩く僕たちをぼんやりと満月が

照らしている。


夜道に並ぶ僕たちの影を見ながら、

僕はもう出会って2年も経つのかと

感じずにはいられなかった。


君はひたすら下を向いて、

駅に近づくにつれ、

寂しそうな顔をするのが垣間見える。

きっと「ばいばい」と君は言いたくないのだ。


僕がふと、

「月が綺麗ですね」と言うと、

君は僕を見て恥ずかしそうに笑いながら、

「うん、月綺麗ね」

と言う。


「意味分かってる?」

と僕がすかさず聞くと、少しの沈黙の後、君はすごく小さな声で

「、、、うん。ありがとう」

と言う。


月明かりに照らされた君は、

少し俯き加減で、少し照れているように見えた。


その君の横顔を見て、

僕は君のことをもっと好きになる。


また、この季節にまた君と

こうやって、満月が見られたら、、、

また、僕はこう言うだろう。

「月が綺麗ですね」と。

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