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「うるせえよ! お前らは! 口挟むな、黙ってろ! コレは俺のだ! 」

 初めて聞いた所長の怒鳴り声だった。

 部下と思われる男達も初めて聞いたのであろう、顔が完全に固まっている。勿論僕もであるが。

 そんな僕らを見渡してから、ハアと溜息を着くと、所長は部屋の隅にある大きな袋を顎で示して言った。

「そのオモチャどっかに捨ててきて。新しいのが来たからソレはもういいや、飽きちゃったよ俺。ソレどうにかしたら、お前らそのまま直帰でいいよ。はい、じゃあ、お疲れした~」

 指示を受けた男達はソレと言われた大きな袋を担ぎ、部屋から出て行った。

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