第5話 阿鼻叫喚

夜の闇を流星が流れる。

いくつもの流れ星。


しかし普通よりも明るい。妙に明るい。


それらは、歓楽街に降り注いだ。


同級生①と②は抱き合いながらガタガタと震えていた。

駅前の歓楽街は真っ暗に停電している。

火災は発生していないが、きな臭いにおいが立ち込めている。

さっきまで、隕石が降り注いだ結果だ。


「あー、やりすぎじゃない?」

「死人はいないぜ?で、場所はわかったのか?」

「3階の端の部屋ね。」

「ふうん・・」



ラブホテルの3階の部屋。

さっきまで輪姦されそうになっていた。

男どもに拘束され、連れ込まれた。

下卑た笑いの男ども。

こんなことなら、こいつとかかわらなきゃよかった。

だれか・・・ 助けて・・・


そう願った。


その瞬間、轟音とともに壁が穴だらけになった。

男たちは逃げ出していなくなっていた。

そのあと、壁には大きな穴。

そこからは月が見えた。大きな月だ。



すると、急にその壁にもたれた男の人。

まだ若くて細身。

その人が言った。

「いい月夜だね。こんな夜に流れ星に願いをかけるとかないそうだね。」

微笑んだその顔はどこかで見たような顔。


恐怖心と・・・何か幻想的なその風景に心奪われる・・・


すると流れ星が流れる。

あぁ・・幸せになりたい。



その後。悲鳴が聞こえた気がした。

やがて聞こえるサイレンの音。






「あんた、バカなの!?常識無いの?」

「お前に常識無いっていわれる筋合いはない。」


帰り道、アパートに向かいながら言い合う。

こいつの言うことがほんとなら、隣の部屋に引っ越してきたはず。

あぁ・・めんどくさい。


たかひろ。とっとと引き取ってくれよ。

お前の嫁だろ。



後ろからついてくる、同級生①②③。

かってに未亜の家に行けばいい。


お願いだから俺をほっておいてくれ!!

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