第22話
アストラル領の主要産物は岩塩だという事を私は調べていた。
国内で最大の岩塩採掘場が存在していることが、アストラル領の唯一の強みである。
ルシアーノ侯爵領には岩塩の採掘できる場所は存在しない。
しかし広い海岸線があるんだよ。
侯爵様に提案したよ、塩田事業を。
この世界では、海水から塩を作り出す事は一般的に行われておらず、必ず勝算はあると思っていた。
アドバイス料でしっかり稼いじゃうよ!
海水から作った塩は、副産物としてにがりも取れるために、新たな産業として豆腐造りも提案したよ。
ちょっとだけ勉強してて良かった! と思った瞬間だね。
そして、当初は岩塩から採取できる塩の半額で流通させて、完全にアストラル領の運営は行き詰まった。
多数の領民がルシアーノ領の塩田で働く事になり、遂に王宮からアストラル領は改易を決定される。
アストラル家は、爵位を取り上げられ、伯爵と息子のディビットは領地から追い出される事になった。
「アゲハ様? スッキリされましたか?」
「うーんどうだろ?」
「これからは何をされるおつもりですか?」
「それは決まってる。真実の愛を見つける旅に出るよ!」
「「へーそれは面白そうですねアゲハ様」」
そこにはアダムとギャバンの2人が顔を並べえていた。
「お嬢様一人で行かすわけにはいきませんから当然私もついて行きますわよ」
「「勿論俺達も一緒に行きますよ?」」
「サンドラ、アダム、ギャバン…… 貴方たちが一緒に来たら私の真実の愛を語る相手が見つからないじゃないのよ……」
「そうですか? 見つかる時は誰と一緒でも見つかりますって」
「アゲハ様、王都のお店は全て各店舗のマネージャーに任せてありますからご安心ください」
「アダムとギャバンはお屋敷どうするのよ?」
「ああ、街で拾ったおっさんに屋敷の番を任せる事にしたよ。見た目だけは結構貴族っぽかったから番くらい出来るだろ?」
「ふーん、名前は聞いた?」
「ディビットとか言ってたな」
「ぶっ…… マジ?」
「まぁいっか。ギャバンのお屋敷は?」
「あーそれは、アダムの赤ちゃんが居ただろ? それとサンドラの母さんが赤ん坊育てるのに今までの所だとお店の2階で少しうるさいからって事だったから、そっちに住んでもらう事にしたよ。元々あそこのお屋敷で昔奉公してて使い勝手は解ってるって言ってたから」
「まぁ元は私の実家だしね……」
「おい、ギャバン俺の赤ちゃんって言うなよ」
「いいじゃんそれで。お前が取り上げてやったんだろ?」
「それじゃぁ行こうか! 真実の愛を探しに」
【完】
婚約破棄された瞬間に転生者だった記憶がよみがえった私は、知識チートで異世界キャバ始めます! TB @blackcattb
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