第18話
私は、アダム様の子供を宿したと言う、正当な理由を押しかける理由にする為に、妊娠が確定するまで、我慢したわ。
そして、無事に妊娠していた。
さぁ、後はルドルフ公国へと旅立つだけだ。
妄想に胸を膨らます、ミザリーであった。
◇◆◇◆
「サンドラ? そう言えばミザリーってあれからどうしてるとか、噂聞く?」
「アダムの子供を宿して、ルドルフ公国に探しに行ったらしいですよ?」
「どっからでたの? ルドルフ公国とか」
「なんとなく遠い方が面白いかな? って思ってそう伝えてました」
「って言うか、アダムの子供とか、ホストなのにそんな失敗する?」
「いえ、アダムに確認してみましたが、男性用避妊薬を常に服用してるので100%あり得ないそうです」
「じゃぁ誰の子供なの?」
「さぁ? でも、あの国へ行くには旅費も片道で100万ゴルは必要ですし、行って見つからなかったらどうするんでしょうね?」
「見つかる訳が無いじゃない? この街でホストやってるのに。でも、もう十分かな。仕返しは」
「そうなんですか? ミザリーにはお給料だって安く無い額払って、セレブリティ的には損だったから、もう少し酷い目にあって貰えばいいと思いますけど?」
「うーん…… なんだかね。勝手にポシャるんじゃないかな? って思うよ」
「アゲハ様が良いなら構いませんけど」
◇◆◇◆
その後、当然ルドルフ公国で、アダムを見つける事が出来なかったミザリーは大きくなったお腹を抱えて、王都に戻って来た。
途中で、旅費も尽き、持ち出した衣装や貴金属をお金に変えながら、無一文での帰還となり、実家の男爵家からも父親の解らない子供を宿した事を責められ、放逐された。
「この子の父親はルドルフ公国の高貴なるお方アダム様です」
そう父親に対して、言い返すのがやっとだった。
途方に暮れ街を歩き、知らず知らずのうちに足はサンドラのセブンスショップへと向かっていた。
「ねぇサンドラ、貴女は言ったわよね? アダム様とギャバン様はルドルフ公国の方だと」
「え? 何のお話ですか? ルドルフ公国の使者の方とは言いましたが、あのお二人はこの王国の方ですよ?」
「え? 私をだましたの?」
「何処がですか? 使者の方としか言っていませんし、まさかミザリー様がルドルフ公国に行くなんて、思いもしないじゃ無いですか? そんなただの気持ち悪いストーカー女ですよ?」
「サンドラ、貴族令嬢の私に向かってストーカー女ですって、不敬罪だわ、訴えてやる」
「あら、男爵家から追放されたお話は伺ってましてよ? ミザリー様いえ、ミザリーは立派にあなたが馬鹿にしてきた平民ですわ。しかも仕事も無いただのニート女ですね」
「覚えておきなさい。必ずアダムと出会ってこのお腹の子を認知させてから、仕返ししてやるわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます