第16話
「アダム? ミザリーはどうだった?」
「アゲハ様、そうですね嬢として判断させて頂ければ、華が足りませんから、人気は出ないでしょうね、お客様をいい気分にさせたり、知的な会話をこなしたりする学も足りません。セレブリティにはふさわしく無いですね」
「そう、アダムの評価がそうなら、早目に終わらせないと、他のお客様のご迷惑になるわね。ねぇアダムはミザリィを抱けと言われれば抱ける?」
「俺は良くも悪くもホストですから、仕事上必要と思えば抱きますよ」
「そう、持ち上げて惚れさせて、姿を消す。このパターンで行こうかな。十分食いついたと思ったら、国に帰る事にして」
◇◆◇◆
「今日も夢の様な時間を過ごせたわ、アダム様あなたの元に嫁げる日は来るのかしら」
「ちょっといいですか? ミザリーさん」
「マネージャーどうしましたか? ミザリーさんのお客様からの評判が良く無いですね。うちでは常に最上級を求めてますので、もう明日からは来なくても結構です」
「チョッ、そんな、私売り上げは悪く無いじゃ無いですか?」
「あなたの売上は99%がアダム様です。他のお客様からの指名は場内ですら一本も取れていません。売上額は関係なく、不人気なのは間違いないですから、お疲れさまでした」
「そんな。アダム様は私が居ないと来てくれないのでは?」
「あーお聞きになられて無いですか? アダム様はギャバン様と共に国にお戻りになられたそうですよ? 昨日。私には旅立ち前にあいさつに見えられましたが」
「えっ? そんな…… 2日前には、オープンラストで指名してくれて、アフターで朝まで共に居たのに、何も伺って無いです」
「きっとその程度のお付き合いだったのでしょう」
「あ、あの…… アダム様はどちらの国の方なのでしょう?」
「お客様の個人情報を教える訳ないじゃ無いですか? とにかく、貴女はうちのお店では、相応しくありません。お疲れさまでした」
こうして私は2週間程でセレブリティを首になった。
お金は僅か2週間ほどで150万ゴル程も稼げたから、このお金でアダム様を探しに行こう。
そう覚悟を決めた。
それからの私は、アダム様にもう一度会いたくて、親しそうに話していた、他の貴族家の方などの家に押しかけたりして、行方を聞きまわった。
でも、全然、他国の高貴なるお方。
アダムとギャバンの情報は解らなかった。
一体どこに行かれたんだろう。
今日も、街を歩きながら情報を聞きまわっていた。
「あら? ミザリー様。お久しぶりです」
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