第5話
お店は開店日を迎えた。
初日夕方の薄暗くなった時間に、女の子全員が揃い、綺麗にメークアップしてドレス姿で、客引きをして貰ったよ。
当然、そんな格好の女の子達に「一緒に飲みませんか?」なんて誘われる体験を、この世界の男性たちはしていない。
一番怖いのは、ぼったくりバーと思われて一度来たら二度目は無かった的な展開だ。
だから、席についておしぼりを渡しながら、最初にしっかりと料金システムを説明する。
その時点で、お帰りされる場合は、無料。
でもちゃんと説明する間も、キャッチして来た女の子達は横に座って、上目遣いで男性の膝の上に手を置くように言って有るから、ほぼ帰らない。
指名の事や、キャストドリンク、ボトルキープ、フードのオーダーの事もちゃんと伝えてあるけど、この街の男性たちは大喜びで、この新しい形態の店で、お金を落としてくれた。
そして、大事な事は此処からだ。
常に上を目指して貰わないといけないけど、なかなか結果が付いてこない子も居るのがこの世界だ。
上位3人は名前を張り出して、順位に応じた上乗せ報酬を出す。
それ以外の子達はお互いの順位は解らない様にはしている。
全部はっきりさせちゃうと、下の子はやる気ダダ下がりで、消えてくだけになっちゃうからね……
そんな感じで初日から大盛況でスタートしたこの異世界キャバは、一月後には2号店、二月後には3号店をオープンさせるまでに繁盛しまくった。
当然、女の子達の収入も凄い額だ。
街中で話題になり始める。
すると今までは、平民の女の子達だけをスカウトしてたんだけど、今度は貧乏貴族家の女の子達も自分から面接に来るようになって来た。
.
でも、駄目だね。
貧乏貴族家でお金が欲しくて面接に来たくせに、平民を見下す。
そんな態度で、指名なんかはいる訳無いでしょ? 馬鹿なの?
結局何名か来たけど、みんな1週間も持たずに消えて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます