第3話 

 お店のめどは立ったけど、私がやろうとしてるのはキャバクラだ。

 大事なのはキャストだよ!


 早速スカウトに出かける事にした。

 街に出ると年頃の女の子に声を掛ける。


 この世界にはこんなスカウト何て、存在してないし、貴族令嬢っぽい姿をした私が声を掛けると、取り敢えずみんな立ち止まって、話を聞いてくれる。


 思った以上に楽勝かも。

 

 この世界では普通に一日働いても精々日当で3000ゴル程度だ(ゴル=日本円とほぼ同レート)それを、夕方の16時から夜の23時までの拘束時間で5000ゴルのお給金を約束する。


 それプラス歩合給も当然つくよ!

 指名バック

 ボトルバック

 ドリンクバック


 服も靴も全てお店が用意する。

 という条件で、仕事はお客さんの横に座り、ただニコニコ頷きながら話を聞いて上げるだけ。


 お酒を勧める。

 お替りを作る。

 自分の飲みたい物をおねだりする。


 たったそれだけで、この世界の普通の女の子達では絶対に稼げないお給料を提案してみた。


 みんなびっくりしたような顔で、聞き返す「本当にそんなに貰えるんですか?」

 まぁ他にキャバ何て言うシステムを採用してる店が無いから、当然の質問だよね。


 だから提案する体験入店。


 綺麗にお化粧をしてあげて、平民では普通なら絶対に着る事が無いドレスを着せて上げて、髪をセットしてあげる。

 その上で体験入店の日当は5000ゴルを保証する。


 やって見て嫌なら辞めて良いよ。

 続けてくれるなら、大歓迎!


 って言う緩い感じで誘い込む。


 サンドラは今まで私の侍女として、ずっと同じような事を私にしてくれていたから、超有能なスタイリストとして、お手伝いしてくれる。

 とても一人では無理だから私も頑張るけどね。


 あっという間に人は集まったよ。

 

 衣装は、学園に通っていた時の同級生達から、譲ってもらう。

 この世界では貴族は、ドレスを古着屋に売ったりはしないので、みんな大量に持ってるのを知ってたから、片っ端から連絡を取って、買い取ってあげた。


 作った時に比べたら全然安い金額だけど、みんな自分でお金払って作って無いから、使わない服がお小遣いに変わる事を喜んでくれる。


 WINWINだよね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る