第33話そこに広がるは白い砂浜高い太陽青い海
◆
「海だーっ!!」
「うぉーっ!本当に海だぜっ!?皆見てみなよっ!?」
「ひゃっほーっ!!」
地獄の様な電車に揺られ小一時間、やっと目的地である駅に到着した瞬間、目の前に広がるは今日行く場所である道の駅と、当たり一面広がる海である。
電車の中からでも見えてたから海が見える事ぐらい分かりきっている事だろうに男性陣たちが一様にはしゃぎだす。
「全く、男子は子供なんだから」
「ホントよね。いつになったら大人になるんだろうねー」
「前頭葉があるのかも疑わしい」
そしてそんな男子たちを見て女子たちは一歩引いた感じの態度なのだが湧き出るワクワク感は隠しきれていないのか髪をいじったりして落ち着きが無い。
「も、暑い……死んじゃう………帰りたい。ミナの事とかとかもうどうでも良いかもしれない。うん、よくよく考えたら私にメリットなんか一つも無い上にデメリットしかないからミナの事とかもうどうでも良いや」
「な、何でこいつらはこんなに元気なのかしら。電車から出た瞬間から別の名の地獄じゃない。電車が精神的苦痛地獄ならば今ここは灼熱地獄よきっと。あと眞子は後で覚えておきなさいよ」
そんなリア充達と違い私たちヒエラルキーの底辺たちは早くも体力気力共に限界値まで来ておりマイナスの言葉が次から次へと口からあふれ出ていた。
リア充達は水着に着替えるべく浜辺に設置されている更衣室へと早々に向かって行ったのだが、方や私たちは更衣室の隣にある施設、道の駅へと一刻も早く涼みたい一心で重い足を進めていた。
そして高城と石田はというとはしゃぐでもなく愚痴を言うでもなく二人並んでゆっくりと更衣室へ向かっており、まるでこの集団の保護者であるかの如くオーラを纏っていた。
流石男子と女子のヒエラルキーのトップお二人である。
そして何とか癒しの回復スポットである道の駅で気力体力共に回復させて水着へと着替えると眞子と一緒に海へと向かう。
そこに広がるは白い砂浜高い太陽青い海。
正に青春というべき場所が目の前に広がっていた。
「うぅ、気持ち悪い」
「完全に、ミナに同意」
その光り輝く世界を目の当たりにした私と眞子は気分が悪くなっていた。
「ほら早くっ!ミナっ!!」
そしてそんな私達の事等お構いなしに高城が大きな声で呼びかけて来るので少なからず海に来ている女性達から注目され、恥ずかしさのあまり急いで高城の元へと向かう。
「う、うるさいっ!!そんな大声で呼ばなくても聞こえるわっ!!」
「あぁ、ごめんごめん。それでなんだけど………何で水着の上に二人とも一枚羽織ってんの?」
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