第34話意のままに操縦できるであろう

そして高城は私たちが近づくとそんなデリカシーの欠片も無い事を聞いてくる。


「ひ、日に焼けたくないからよっ!!」

「私は、ミナと違って豊満なボディーですから、見せてしまっては余計な狼たちを寄せ付けてしまいますからねぇ。ミナと違って」


しかし、いの一番に始末しなければならない者は仲間と思っていた眞子であるようだ。


「う、うるさいわねっ!!誰が貧乳じゃぁっ!!揉めるくらいはあるわっ!!」

「寄せて寄せてようやっと揉めるのは、揉める胸とは言わないかと?」

「言わせておけばっ!!あれから私の胸も少しばかり成長したんですからねっ!!その節穴の目を限界まで見開いて成長した私のお胸様を刮目すればいいわっ!!」


そして私は眞子に煽られた勢いのまま上に羽織っていた日焼け防止用の薄手の黒のパーカーを脱ぎ、私の水着姿を日の下へさらけ出す。


その瞬間、周囲の男性たちが一斉に私の身体へと向けられる。


「「「「「おぉおおおおっ!!」」」」」

「た、確かに多少は育っているみたいね。でも、でかさは私の方が大きいのよっ!!」

「「「「「「「「「おおおぉぉぉおおおおっ!!!」」」」」」」」」


今眞子の身体を見て反応した奴全員顔を覚えたからな。


「ふん、大きさより形でしょう。そんな牛みたいな乳など直ぐに垂れて終わりよ」

「無い者の負け惜しみの遠吠え程甘美な物は無いわね」


ここで私達は気付いてしまう。


「「………………………………っ!?」」


素肌を見られるのが恥ずかしいから二人揃ってパーカーを羽織っていたのに、そのパーカーを脱ぐと素肌を見られると言う簡単な答えに。


いつもの様に二人で小競り合いをしていた為、普段の素が出てしまい、前のジッパーを下ろしてパーカーを脱ぎ、肌をさらしているという事に気付いた時には既に遅かった。


そして二人揃って顔を真っ赤にしてしゃがみ込む。


その動作はシンクロ率は〇ヴァすらも容易かつ意のままに操縦できるであろう。


これも全て夏という魔物のせいである。


そう思いながらすごすごと今まで小競り合いをしていたのが嘘の様に二人仲良く先に着いたリア充達が立てたパラソルの下に敷かれたシートへと座り込む。


顔が真っ赤になっている高城と、それを盗み見る木田に気づかずに。





「しかし、元気よね。きゃつら。アレが若さという物なんでしょうね」

「あんたも同年代じゃないの、ミナ」

「眞子もね」


私から見ればただの痴女の如く肌をさらけ出した黒歴史は頭の隅にある金庫にぶち込み厳重にカギを閉め忘れる事に疎めながら、波打ち際でスイカの模様のビーチボールで遊ぶ同級生たちを死んだ魚の様な目で見つめる。


そして、そんな私に相槌というなの喧嘩を売ってくる眞子の目も死んだ魚の様な目をしていた。


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