第4話 絶望
「おい...なんだよこれ......」
日本にテレポートした瞬間に見た光景
それはとても悲惨で残酷な姿だった。
「まずい...!思っていた以上に危機的状況だ!!」
「これが日本...俺が住んでいる日本なのか...?」
四方八方から燃え上がっている炎
崩れている沢山も建物
それはまるで地獄のようだった。
もう平和な国とは到底言えるような光景ではなかった。
俺が住んでいた場所
なんで...!!!
なんで!!!
「おい...家族は...俺の仲間は...!!!!」
ここはどこだ!!
崩れすぎてて現在地がわからねぇ...!
でたらめに動いたところで意味がない!!
「今はそんなこと考えている場合ではない!!!魔力は東のほうからだ!急いでいくぞ!!」
みんなを後回しにするのは死んでも嫌だけど今は自分のやるべきことをやらないと!
今連中と渡り合えるのは俺たちしかいないんだ!!
すぐ倒すから!!
待っててくれ!!!みんな!
俺たちは走り出した。
「魔力がどんどん強くなっていく...!!こっちだ!!」
崩れ落ちている建物の間を通り抜けていく。
こんなかき分けてしか走ることのできないくらいに足場がなく、通れる道が少なかった。
そして俺たちは膨大な魔力の持ち主の場所に顔を出した。
「これはこれは!魔法騎士たちじゃないか!よくここに来れたね」
陽気な声で僕たちに話しかけてきた
そしてそいつの服には“バーン“と書かれた文字が刻まれてあった。
そして奴の周りにはたくさんの殺された人たちが倒れていた。
この数をこいつが一人で......
なんて奴だ......
今からこんな相手と戦おうってのか...?
まだ魔力をコントロールすらできるかどうかなのに...!!
「相手はバーンだ。気を抜くなよ!!」
俺の額から汗が流れ落ちた。
つぎの瞬間、けたたましい音が周りを轟かせた。
「琉生那!!悪魔を呼び出せ!!私が時間を稼ぐ!!」
「はい!!」
「おい!黒無知!!起きろ!!今大変な状況なんだ!!力をかしてくれ!!」
「.........」
反応が返ってこない。
「おいって!!寝てる場合なんかじゃないんだよ!!頼む!!」
「...めんどくさいことに絡ませやがって。俺は寝たいんだ、自分で何とかしろ」
「そんなこと言われても...!!!まだコントロールはできない挙句に自分の能力もいまいち把握できてないんだ!!」
「あ~~もうしかたねぇな、これで何とかしろ」
そういうと俺の右腕が黒に染め上げられた。
「それは無属性魔法を体に纏わせた状態だ、お前は魔力操作ができない雑魚だからこれがお似合いだ、その効果は腕だけではなく身体能力が上がる。パワー、スピード、ガードがそれぞれ強化される」
「サンキュー!!黒無知!!じゃあ行ってくるぜ!」
それはそういって空間の中から出た。
「よしこれくらいならなんとか保てる!!名づけて無属性魔法ブラックフォーム!」
「君はただの冒険者ではないようだね。少しは楽しめそうだ」
こいつ...!ミランさんと戦いながら俺を見ていた!?
なんて手練れなんだ...
けど今の俺には無属性魔法がある!!
「ぐぁあ!」
俺が出てきた瞬間ミランさんを蹴り飛ばされていた。
壁にぶつかる音が今まで聞いたことのないくらいに大きく膨大なものだった。
「次の相手は俺だ!!」
そう言って飛び出した。
そして俺はすぐ懐に潜り込み一撃を食らわせた。
「お~君なかなかやるね~いいパンチだったよ~、けど僕には無駄だよ」
そう言いながら俺の打撃を受け止め攻撃をしてきた。
それを何とか受け止めた。
クソ...!こっちの攻撃にはびくともしねー!!それにあいつは軽く殴っただけでこんなにつえーのかよ!!黒無知いなけりゃ確実にあの世いきだったな...
こっからどうすればいい...!!
何か策はないのか...!?
このままだと死んで終わりだぞ...!!
「ほら、よけないと死んじゃうよ!」
俺は間一髪でよけきることができた。
なんて速さだ!これじゃ避けるので精いっぱいで攻撃に回れない!!
「遅いよ」
「ぐぁあ...!」
けたたましい奴の動きと共に俺は地面にたたき落された。
クッソ......!何もできねぇ...
強すぎる
俺も身体強化されてるのに何もできない!!
避けるのでさえできねぇのかよ...
「おっと、また君かいもう倒れててよ」
ミランさんが俺がダウンしたのをみてまた戦い始めた。
ミランさんでも倒すことができないのか...
そんなの俺が敵うわけがない...
「ミランさん!!!」
「しぶといんだよ雑魚が」
奴の謎の魔法を受けてしまった。
ミランさんが!!
立て俺!!
仲間が頑張ってんだぞ!!
倒れててどうすんだ!!
「クッソ!!」
俺は敵のいるほうに全力で走った。
「君も眠ってな」
「無理だ!!!無属性魔法!黒いツラス!」
俺はさらに力を圧縮させて打撃を加えた。
だがしかし
「だから眠ってろよ」
「ぐぁあああ...」
俺は跳ね返された。
そして倒れた。
奴の力には及ばなかった。
手も足も出なかった。
視界が歪みぼんやりとする
意識が.....
ダメだ、まだやれる......
「キル、もう行くぞ目的は達成した」
「え~~今いいところだったのに~~」
今戦っていたやつよりまがまがしい者を持っている奴が現れた。
こいつらはなんなんだ...
魔力が尋常じゃないぞ......
すると泣きながら大きな声で叫んだ人がいた。
「お前!!美優を返せ!!」
「まだついてくるのか、お前死にたいのか?」
「うるせえ!」
震えながらも必死に叫んでいる。
その声には聞き覚えがあった。
凪斗!?
何で美優があいつらにさらわれているんだよ...!
探している人が美優だったとでもいうのか??
いやあり得ない!!!俺は信じない...!!
おそらくバーンの主格と思われる奴が俺と凪斗といつも遊んでいた腐れ縁の心友だった美優を抱えていた。
俺は立とうとするが体はボロボロでとても動ける状態ではなかった。
体が......
動け!!
動けよ!!
今仲間がさらわれようとしてんだぞ!!
何の能力もない凪斗があんなに頑張ってんだぞ...!
いつ死ぬかわかんねぇってのに...
怖くないわけないわけってのにあいつは...!!!
「お前、しつこいんだよ、あぁ分かった殺してほしいのか、だったら今すぐ殺してやるよ、やれキル」
「りょうか~い」
「やめろ~~~~~!!!!」
俺がそう言ったときにはもう体に腕が突き刺さっていた。
「あぁ.........」
俺の心は絶望に支配された。
「あああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
どうして
どうしてんんだ
何故
何で...
何で何の罪もない人が殺されなくちゃいけないんだ...
なんでなんだよ!!!
この世界はおかしい
こんな世界は俺のいた国なんかじゃない
この世界は壊れている
もう壊れてしまったんだ
日本は終わりだ.........
あぁ俺は何のために生きているんだろう
何のために俺は世界を守るのだろう
仲間も救えないで何が世界を救うだ
そんなことはもともとできなかったんだ
ただの幻想だったんだ
なんで俺なんだ......
なんでこんな思いをしなくちゃいけないんだ...
そんなことなら異世界なんて行きたくなんてなかった
何故奪われなきゃいけないんだ
何故......!!!!
あぁ......もうどうなったっていいよ
俺が世界の......
幕を閉じるよ。
そしてもう一度幸せな世界を作ろう
誰も悲しまない優しい世界を。
ごめんミランさん、レノア、ラクスさん
俺は二つの世界なんて守れないよ
俺の体は黒に染め上げられた。
背中には黒い忌々しい翼
赤い瞳
邪悪な剣
もう俺は俺ではなくなっていた。
「お前だけは絶対に許さない...死ね」
「やめろ...琉生那......」
「これはこれは驚いた、まさか悪魔付きとはね」
俺は敵のいるほうに向かって剣を振りかざした。
その威力は地面のそこがえぐり取られるほどの強さだった。
「これはまずいかもね...」
「無属性魔法、断罪の黒切」
「ぐはぁ!」
俺は相手の心臓を貫いた。
「はっははは!!!!どうだ!!いたぶってた奴に刺される気分は!!」
「琉生那.....!意識を保て!!戻ってこい」
俺は悪魔になった。
もう今までの俺は戻ってこない
今俺は絶望の果てにいるんだ。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
TWOWORLD遅くなってすいません!!
また近々投稿する予定ですのでよろしくです!!
明日はbijodou投稿しますので!!
では!! 立花レイ
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