第2話 宿す力

「ここはどこだ......俺は確か...」


これまでの記憶をたどっていくと...


「俺は死んだのか......?」


あの時俺は悪魔に突き刺されて倒れた。

そこで目を覚ませばわけのわからないところにいる。

これが死者の世界なのか?


「お~やっと起きたか、待たせんなよ小僧」


声のする方をを見てみるとそこには俺を刺した悪魔がいた。


「ええええええええ!!!!なにどうなってんの?なにこの状況!!また刺されるの俺!!!そんなの割に合わないだろ!!!それに俺は死んだはずだ!!!」


腕まで切り飛ばされて心臓も突き刺されて生きているはずがないんだ!

だったらこの空間はなんなんだ!!!!どうにかしてくれよこの状況!


「お前は死んでいない。ここは俺の領域だ」


訳が分からないが俺は死んでいなかったらしい

このままでも先が見えないから聞いてみることにした。


「お前の領域?」


「悪魔には己と契約した者だけの空間が作ることができる、それがこの領域だ」


「え?じゃあ俺がいるってことはお前と契約したからってことか?」


「いや違う。俺がお前の体の中に入ったからだ」


「え?何その複雑な感じ...じゃあなんではいれているんだよ?」


「お前が無能力者だからこの領域にある魔力を無視してたどり着いたんだろ」


「そんなこともあるもんだな、で俺に何か用があるんじゃないのか?」


「あるとも。だがそんなことはお前に関係ない、ただ体だけ俺にくれればそれでいい」


「俺に何か期待しようだなんて馬鹿な奴もいるもんだな、俺を無能力ってことを知ってて言ってんだよな?」


「その体が欲しかったんだ、その無能力の体がな」


「何それ俺潜在能力とか多分ないぞ?」


「それが俺にとっては都合のいいことだからな」


「そうかいそうかい...まぁ渡さないけどね!!!」


「この状況でよくそんなこと言えるな」


「確かにそうだが......」


「おれは人間が嫌いだ。そして悪魔も。おれはこの世の全てを滅ぼす」


「おれはそんなののために体を貸すつもりはない...俺は世界を守るためにここに来たんだ、こんなところでグダグダしてらんねんだよ、バーンとかいう組織とこれから戦い合わなくちゃいけない...止まってられねぇんだよ俺は!」


「バーンだと...?」


「あぁ?それがどうしたんだよ」


「ああそうか......そういうことか。気が変わった。小僧、俺と契約を結べ」


「はっ!?!?」


「だいたい小僧、無能力でバーンを倒せるとでもおもってんのか?」


「だから今から修行するんだよっ!!!」


「無能力がいくら努力したところで無能力は無能力だ、気を感知できなければ魔力感知すらできん」


「なんだと......知りたくなかった現実だ......」


「まぁそれは俺と契約しなかったらの話だがな」


「あんた悪魔のくせに言うことがうまいな」


「俺もバーンを潰したいからな」


「そうなのか!!!実はお前いい奴だったのか!?」


「いい悪魔なんていね~よ」


「まぁ理由はともかく目的は一緒なら協力しようぜ!」


「よし、なら手を出せ」


そう言って手を出すと悪魔は自分の手をのせてきた。


すると俺の右腕が黒に包まれた。


「なんだこれ!?手が黒くなっていく...!!」


「これが俺の悪魔の色。無属性魔法だ」


「無属性魔法......」


「無属性魔法を使うには無能力者がいないと無理だから、お前をほしていた」


「これで俺も魔法が使えるのか!!よっしゃー!!!」

「そういや、お前の名前は?」


「名前か。世から言われていたのは黒無知だな」


「黒無知か!かっこいいな!!」

「よっしゃ!よろしくな!黒無知!」


「生意気な小僧だな」


そして俺は無能力者だけど無能力者じゃない無属性魔法を使う悪魔と契約し、無能力という言葉の呪縛から解放された。


宿った力がルキナに行き渡った。


                              つづく



あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!

投稿遅くなってしまってすいません!!!

また近々投稿するのでよろしくお願いします!!!

                           立花レイ






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