第1話 最初で最後の任務

「お~~~~!!!ここがアジトか~~!!!随分と広いな!!」


俺はテレポートさせられ、気が付いたらここにいた。

ここは日本とは全く違う建物の性質をしていた


そして


日本では考えられないほど大きく豪華なアジトだった。


こんなに大きくて掃除とか大変そうだな...


「なかなかいいだろ、お前の部屋も後で案内してやる、まずはリーダーに報告をしに行く」


「おう!」


早速リーダーに報告に行くことになった。

恐らくリーダーということはこのアジトの中で一番強い魔法騎士

どんなひととなんだろうな...



「ラクスさん連れてきました。例の日本人の神風琉生那です」


「君が琉生那君だね、よく来てくれた。私はラクス、このギルドのリーダーだ」


「よろしくお願いします!!!!!修行してきていいですか!ってやべっ!」


報告に行くということでつい忘れていたが修行しないといけないことを思い出し勢い余って言葉にでてしまった。


「この世界に来てもう修行とはいい心がけだね、けど少し私の話を聞いてくれたまえ。...日本に魔物と魔術師が侵入してしまったことは聞いているね?それを止めるために琉生那君、君が転生された。君がこの二つの世界を救うカギとなるんだ。」


「そんな重大なのかよ!?そんなこと言われるとプレッシャーしか沸いて出てこないんですけど...」


選ばれし者とは言われていたものの、そんな重大なことだとは思ってもいなかったから素直な気持ちが出てしまった。


いきなり超重要なことを言われたような気がするな......


「まあ、落ち着いてくれ、急に戦えなんて言わないよ。しっかり経験を積んでのことだからね......そして琉生那くんには今から任務に出てもらう。ミランとレノアも一緒について行ってくれ」


「任務か!!!どんなの任務だ!?!?!」


「新しく発見された洞窟があるんだ、そこに”バーン”がいた痕跡があったらしい。そこを見つけて監視してから一か月がたっている。何もおかしなことは起きていない。確実に安全とは言い切れないけど...そこの調査に当たってもらいたい。できるかい?」


「ああ!もちろん!!」


「良い威勢だね、では頼むよ」


「「「はい!」」」





「なんだここ...すごい気味が悪いんですけど...いかにも悪の組織がいたって感じなんですけど」


日本の洞窟とは大違いだな!!!日本では洞窟なんて観光スポットだぞ!!

流石は異世界。日本の洞窟とはわけが違うな...


「行くぞ」


洞窟は初めて入るけどここの洞窟はなんか気配が違うと感じた。

多分他の洞窟はこんな空気が澱んでいない。何か嫌な予感がする。


「なんだこれは...薬?ここで実験を行っていたということか」


洞窟に入ったらすぐに開けていてそこには実験に使っていた道具が散乱していた。

こういったのは初めて見るからとても不快感が俺を襲った。


「ミランさん!来てください!」


レノアの一声に駆け寄ると......


「なんだ......これは...!!」


そこにはとてつもなく大きなカプセルとたくさんの人々の死体が転がっていた。


「自分たちの部下を利用して実験をしていたのか...なんて奴らだ...」


死体を見るとその周りに虫がたかっていた。

そして服には“バーン“と書いてあるロゴが刻まれていた。

皮膚が溶けかかっている死体や腕や頭蓋骨が切り離されている死体もあった。


それはとても残酷で同じ仲間にするような仕打ちではなかった。

こんなのは仲間なんて呼べるものではなかった。


これがバーン。

悪の組織の現実。

なんて酷いくて惨いことを.........

こんなことが許されていいわけがない!!


俺は少し気合いが入った。


俺たちが止めないといけない!!

この現状を!!!



「皆さん!!こっちに道ありますよ!」


そこには人も入ることが難しい穴ができていた。


「とりあえず行ってみるか」


そんな軽い感じで言いながらそこの壁ごと壊した。


「ええええ!!!!強行突破だ...!!なんて強さだよ!!」


これが魔法騎士...!!

あんな厚くてデカい岩を一撃で破壊するなんて...!!

強さが異常だ...


「そんなことはどうだっていい......それよりレノア、なにか感じたのは分かったな......ちょっとまずいかもしれない」


レノアは小さくうなずき身を構えた。


すると突然こちらに向かって飛んでくるものがいた。


「え?」


後ろを向くとそこには人間でも魔物でもない何かが立っていた。


「最悪だ......」


俺たち3人の動きが止まり静まり返る。

嫌な汗が頬をつたって地面に落ちた。


「なんなんだあの化け物は!!!!、リーダー何してくれてんの!?!?」


「あれは悪魔だ...!!この世界の最強の部類に入る...!」


「なんでそんな奴がいるんだよ!!!!」


やべぇ......!!

魔物も魔術師も見たことないけど分かる......!!

こいつは格が違い過ぎるって......!!!

これがこの世界の最強!!

忌々しいほど膨大で大きな力を持っているって無能力者の俺でもわかる!!


「とりあえず今は逃げることだけを考えろ!!私たちでは勝てる相手ではない!!」


逃げるってそんなのできるのか!?

飛んできたのが分かった時にはもう後ろに立っていた相手だぞ!!!

けど動かないと......!!!


「お話はそれで終わり...か?」


しゃべるのかよこの悪魔!!!


今はそんなこと...!!!


動け!!逃げろ!!!俺!!!




クッソ!!なんでだ...!!動けよ俺!!こんなとこで怖がってたら死ぬだけだぞ!!






ダメだ............



威圧が凄くて手も足も動かない.........



クッソ!!!なんなんだよ!!いきなり世界最強と遭遇するなんて聞いてないぞ!!


「ホントにお前らは運が悪かったな。可哀想に...今からお前たちは死ぬんだから...まあ俺にとっては運が良すぎるがな...じゃあサヨナラだ」


そう言ってニヤリと笑い......




見えなかった。悪魔が動いていることすら気がつかなかった。

後ろなんて向けもしなかった。

速すぎた......


あれ何でおれ血が出ているんだ...???


「え???」


流血しているところを見ると


俺は右腕がなくなっていた。



「ううわわわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



「琉生那!!!!!!」



腕が腕が...!!!!

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

なんなんだよあの悪魔は...!!!!

見えなかった。何も反応なんかできなかった。

クソっ...死ぬのか俺...



まだ死にたくない、死ねない...!!!

異世界にきて何もできずに去るなんてできない...!!


「腕一本もってったのにまだやられないとは無能力のくせにやるじゃないか...だがこれでおしまいだ。」


俺が無能力ってことを知っている??

クソっ!!今そんなこと考えてる場合じゃ...


「ぐははぁぁ.....」


悪魔は俺の心臓にを手を突き刺した



あぁ俺はダメなのか


俺には無理なのか、世界を救うなんて...

バカみたいに調子乗って妄想して...これは全部夢だったんだな...

ごめんリーダー期待しててくれたのに...俺にはできないみたいだ。

二つの世界なんて大それたことなんて......



けど



みんなと一緒に守りたかったな~.........



もっとこの世界のことを知りたかった.........


死にたく...なんか.........なかった.........




力が抜けきった人ように地面に崩れ落ちた。






「琉生那~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




仲間が叫ぶ声がほんの微かに聞こえた気がした。

                           つづく



あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!

昨日投稿できなくて大変失礼いたしました...

今日は眠気に勝ちます!!!

そしてどうだったでしょうか???

僕的にはいいところで終わったと思うのですが...!!

感想とか書いて下さるとうれしみです!!!


                    立花レイ

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