TWO WORLD
立花レイ
第0話 スタート
目を覚ますとそこは見たことのない風景だった。いつもと違う街並み、いつもと違う風、見たこともないくらいのきれいな緑、たくさんの人種の人々。その中に俺はいた。
「どうなってるんだ...」
「まさか異世界転生したとでも??」
俺は本当がどうか確かめるために自分の頬を軽く叩いてみた。
「ええええええ!!!!本当にしちゃってるよ!!こんなことあっていいの!?!?神様ありがとうございます!!!」
まさか本当にこういったことが自分自身に起こるなんて思ってもみなかった。
このような展開はアニメやライトノベルくらいでしかないものだと思い込んでいたから実際来てみると驚きを隠しきれない。
「これは俺が英雄になる物語だな!!そうだよな!、ついに!異世界!!新たなスタートだ!!!」
俺は手を上に拳を突き上げた。
周りからは変な目で見られていたが今はそれすら気にならないくらいに心が揺さぶられていた。
それははそのはず。
異世界に転生したいと思っている人は腐るほどいるだろう。
それを今現実に迎えているのだ。興奮しないわけがない。
俺はその場で立ち異世界の景色を眺めた。
「うわ~~!!マジかよ!!来ちゃったよ異世界!!やっぱり街並みも日本とは全然違うな~~、間近で見るとこんなにすごいのか~~、一つ夢が叶っちゃったよ!」
やはり慣れ親しんでいないところに来ると感動はする。
けど今はそれどころではないくらいに驚きが凄い。
特に普通の街並みだが、日本にはこんな街並みはないし、海外とはまた別のような雰囲気がする。それにこんなに緑が綺麗なわけがないのだ。これが異世界なんだと思うと感動の二文字でしか表すことができない。本当に素晴らしい。
「日本ではこの世の終わりみたいな生活してたしこっちの世界ではちゃんとしたいな・・・」
日本では一般のしょうもない高校生をしていた。
永遠にラノベを読んでいるばかりで、なんの面白いことも起きずにただただ時間が過ぎていくだけだった。特に青春をすることもなく・・・今思うとどれだけ自分の人生が雑魚いかが分かる。
「あーーー!!いたいた!さっき召喚した日本の人~!」
日本というワードを聞いて後ろを向いた。
この世界で“日本“という単語がが出て来るのに驚いた。
アニメやライトノベルで多いのは“日本って国は聞いたことないわね“みたいな返答をされることが多い。だが俺が来た異世界は違うらしい。それが何故か新鮮で気分が良かった。
そんなことを思いながら日本というワードを口ずさんだ二人の冒険者らしき女性が当然こちらに向かって走ってきた。
「神風 琉生那くん!私たちとともに戦ってくれませんか?」
突然の名前呼び出しはゲームでしかこんな展開だ。
そりゃ、ゲームやマンガ、ライトノベルの世界に来ているようなものだ。こういったことも多い。
しかし異世界転生したらこの展開は確定演出なのか?まあ味わってみたかったことだからあり寄りのありだけど!!
「きたきたきた!!この展開!!異世界転生したならそう来なくっちゃな!」
ここまでくるとこの展開がないとおかしいレベルだよな!!!
「お話を聞いてくれませんか...?」
「もちろんさ!」
ちょっとカッコつけた感じで言ってやった。
異世界にきたんだ、このくらいは許してほしい。
「ありがとうございます! 立ち話もするのもなんですし食事をしながらしましょう!ついてきてください!」
この世界で一番最初に起きたイベントは食事になった。
「名前を言っていなかったね。私はミラン こっちはレノアだ」
「よろしくお願いします...」
イカツイ装備をしたイカツイ女性騎士と会ったときは元気いっぱいだったのに何故か緊張しているおっとりした、見るからに魔法使いのような恰好をしている女性だった。
「よろしくな!てゆーかこの世界のご飯も日本とはまた違った感じでうまいな!」
「そう言っていただけて良かったです!!ここはこの街でも有名な店なんです!!」
「そうなのか!それはうまいわけだ」
「ううん、早速、本題に入る。まずは何故君を召喚したのか...何故君を召喚することになったのかだな......それは日本にこの世界の魔物が侵入してしまったからだ。それを止める人に君が選ばれた」
「どういうこと?日本に魔物?そんなことあるのか!どうやって侵入しているんだよ?」
「恐らく”バーン”という組織によって日本に魔物や魔術師を送り込まれた」
この世界での宿敵といったところなのだろうか
よく理解はしていないが合わせてみることにした。
「組織か、それを止めるのに日本人がいないといけないってことか」
「感がいいな。そう、日本人がいないとテレポートも難しくなってくるからな」
本当にこういう展開なのね......
まんまライトノベルみたいなストーリーだな......
まぁそれを全国のラノベオタクが憧れていることなんだけど...
「なるほど...けど何のために日本に魔物なんか?」
「バーンはある人を探しているという情報が回ってきていてな、おそらくその”ある人”が日本にいるという判断をしたわけだ......奴らが何を企んでいるのかは分からんがきっとこの世界と日本に何かが起こるはずだ。」
日本にね~
けど日本には能力があるわけではないからな~、科学者の知識が欲しいとか?
しかし、そういったことくらいしか日本で異世界に通用するような人はいないだろう。
異次元的なことが起こっていない限り......
俺が知らないだけでホントは闇があったりしてな......
「日本とこの国がね~、つまり二つの世界が危なくなってしまうということか」
「そうだ。だから君に私たちと共に戦っていただきたい」
「それは勿論協力はするつもりだけど能力は俺にはあるのか?」
勿論協力はするつもりだ。
そのためにここに来たようだからな。
だがしかし俺が異能力的なものがないと何もできない
まぁ!!ここに俺が選ばれたんだ!!嘸かしすごい能力があるんだろうけどな!!!
「それが......何一つ持っていない...」
「HE?」
んんん????今なんて言った??能力がない?
嫌々そんなわけ!!!俺が選ばれたんだぞ!?!?
そんなことあるわけないじゃないか!!
「またまたご冗談を~~」
「いや冗談ではない、君は無能力者だ......」
「えええええええええええええ!!!!!!!ないの!?俺ないの!?」
おいおい!そんなの聞いてないぞ!!!大体こういうのは俺が超ツエー設定じゃないの!?!?無能力で悪の組織と戦うだ?いきなり殺されて終了のオチだろうが!!」
飛んだ大恥をかいたじゃないか!!!!!こういったことは俺がなんかすげー特殊能力を持ってるとかで召喚されるんじゃないのかよ!!!!無能力って......
ただの一般人じゃねーか!!!日本にいた時と何の変りもねーのかよ!!!
「ちなみになんだけど......この世界に無能力ってザラにいるの...?」
「無能力の人は人口の2割といわれている...」
「無能力で冒険者になっている人は...???」
「恐らくほとんどいない...」
「あ...............」
「琉生那くん!?大丈夫ですか!?!?顔が生きてないですよ!?!?」
俺は放心状態になっていた。
ここに来た意味を、俺の期待と興奮とモチベーションを返してほしい......
俺は異世界転生したんだよな?
選ばれし者なんだよな?
それがどうして人口の2割の役職なしなんだよ........
ねぇ!!!!!
ここ異世界だよね!?!?!
能力くらいくれたっていいじゃん!!!
一人しか来れないんだよ!?
俺はどんな確率で無能力引いてんだよ!?!?!?!
「しかし、われらのリーダーが君を召喚しろって言ったんだ。彼ならきっと2つの世界を救ってくれると、ね」
「そんな無理だろ!?おれ無能力だぞ!!無理がありすぎるだろ!!死ねって言っているようなもんだぞ!!!」
「仕方がないだろう、私も反対はしたんだ。けどダメだった。私だったら無能力など連れていかんぞ、危険だし足手まといになっては仲間の命も危険度が高まるからな」
「なんなんだよこれ.........」
どこへ行っても運がないな、異世界転生しただけで運を全部使い果たしたてしまったみたいだな......
「けど無理っていったところで連れて行くぞ、そのために君を召喚したんだ」
「ですよね~~~~............」
結局やらないとストーリーは進まないらしい。
そして俺は覚悟を決めて
「ああああああああ!!もう!!!無能力でもやるしかないんだよな!!!やる以外に道はないんだよな!!!まあそのために来たようなもんだしな!......そうと決まれば俺はやってやるぞ!この世界と日本を守ってやる!能力なんかなくても気合で何とかしてみせらぁ!!!俺は努力は得意だ!唯一ののスキルだ!さあ!早速修行だ!!」
気合を入れて意気込んでいた俺に二人はとても驚いている様子だった。けど少し笑った。
「君みたいなやつが案外救ったりしてな...」
「そうかもしれませんね...!」
「なんか言ったか?」
「何もないよ、とりあえず修行する前にアジトに来てもらう。修行はそれからだ」
「そんな...まあいいか!」
「それでは行くぞ」
俺たちは食事の途中にテレポートしたのだった。
異世界転生してすぐのことでまだいろいろ理解していないけど目的は決まった。
今の現状は日本人がこの国の悪の組織“バーン“と名乗る者たちから狙われているということ。
その日本人がバーンの手に渡ってしまった場合、この世界と日本に最悪が訪れるということ。
その危機を救うために俺が選ばれた。
二つの世界を守る
そんな大規模なことをできるのかは分からないけどやってみるしかない。
この先何が待ち受けているのかわからない。
先のことなんて計り知れないだろう。
けど やると決めたからにはこの二つの世界に最悪が起こらないように......
それが俺のやるべき責務だと
この世界に転生した日本人は俺だけだ。
その課せられたことを成し遂げる
二つの世界を守る。
上等だ!!!やってやる!!!
こうして琉生那の非日常的な物語が 今 始まる!
つづく
ここまで読んでくださった読者の皆様に感謝を申し上げます
本当にありがとうございます!修正前に見てくださった方物語がガラッと変わったと思いますがご了承ください!!初めてのバトル小説ということでどういった風に書けばいいのか全く分かっていない状態ですがいろいろ試行錯誤して頑張っていきたいと思います。以前から書いてみたいと思っていたので自分も書いててとても楽しかったです!!文章もまだまだだとは思いますがそれも踏まえ暖かく見守ってくれるとうれしいです!
立花レイ
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