第2話 (900-400年前)人工太陽


 あたしたちの祖先がこの惑星に着くまでには300年かかった。


 その間、ロケット内の研究所では人工太陽の研究が続けられた。


 太陽が近いと熱さで人類は生きられない。


 適度な距離に太陽がある惑星を見つけることは奇跡に近い。


 だから移住先は太陽が遠くにある惑星を選ぶことになるだろう。そんな予想の元に研究開発が進んだ。



 その予想通り、降り立った惑星は太陽が遠く昼でも星が見え、気温はいつも氷点下だった。



 最初の100年は星の開拓を行い人類に適した環境を整え、人工太陽を作るための資源も集めた。



 次の100年は人工太陽を作る100年だった。



 そうして400年前、ようやく最初の人工太陽が打ち上げられた。


 激しい地響きは惑星の反対側にまで伝わり打ち上げのための炎は半径100kmを焼き尽くした。多くの犠牲が払われた。


 だが、打ち上げられた人工太陽は地表を明るく照らし、気温の上昇をもたらしてくれた。植物が大地に根付き育つようになった。


 人類は600年ぶりに太陽の恩恵にあずかった。


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