星降る夜には願い事を

柏堂一(かやんどうはじめ)

第1話 (1000-900年前)惑星脱出


 今から1000年ほど昔のこと、あたしたちの先祖はその頃住んでいた惑星の太陽が異常な活動を始めたことを発見した。


 恒星の終末が近付いてきたのだ。人類は先の短い母星を捨てて飛び立つことにした。


 科学技術、天文学、物理学、ありとあらゆる知識を総動員し、当時の人類はわずか100年で移住用の惑星間移動ロケットを開発した。


 人類の存続が掛かったこの移住は失敗が許されない。


 全滅を避けるために居住地ごとに指定されたロケットに乗り、次々とさまざまな惑星に向かった。


 あるものは惑星にたどり着けずに全滅し、あるものは惑星の環境が過酷すぎて全滅した。でもきっと誰かが生き残る、誰もがそう信じながらロケットに乗り続けた。

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