第四章 謎の黒騎士アルト
4-①
フォルテは、さっそく後宮の一室に案内され
後宮だが建物内部以外は男子禁制というわけではないらしい。
ドアの外に見張りを一人残されて、部屋に入った。
「ここは……後宮の中だからやっぱり国王陛下の殺されたお
フォルテは、
《私もさすがに後宮には入ったことはございませんが、歩いてきた位置から考えますと国王陛下の
「仮宮……」
《
「そういえばクレシェン様は
《おそらくそうでございましょう。どうやら殿下は、まだ一人の妃もいらっしゃらないようでございますね。あるいは妃はいたが、殺された可能性もあります》
「ま、まさか殿下の妃まで!? どうして?」
《
フォルテはぞわりと後宮の黒い
「こ、こんな所、一刻も早く出ないと。へたな占いをしたら私も殺されるかもしれないわ。気に
《クレシェン様にとって、占い
「な!」
フォルテは自分がいかに
「と、ともかくクレシェン様を
《ピット
胸を張る
《そのお顔は疑っておいでですね? フォルテ様は
「あっ……ちょっと、ゴローラモ!」
フォルテが呼び止めるのも聞かず、ゴローラモはすっと姿を消してしまった。
「思いついたらじっとしていられないんだから。もう少しそばにいてほしかったのに」
知っているよりも
「まさか、後宮がこれほど深刻な
フォルテは思った以上に
確かに黒幕を掴むのは王家にとって重大な事案だ。しかし、王家を
それに何より、ここにいると気味が悪いのだ。
「窓の外からは
フォルテは厚地のカーテンを引いて窓から見える景色を
大きな
塀を登れないものかと庭に出ようとしたフォルテは、人の気配を感じてはっとした。
(誰っ!?)
黒い
(何? まさか
月明かりを背に、塀の上に立つ人影がこちらに
流れる
(私のことを探ってたの? なぜ? 誰なの?)
だが足は
そして黒の騎士はまばたきする間に闇に消えてしまっていた。
* * *
《黒の騎士? それはまたずいぶんロマンチックな夢を見ましたね。後宮内を
「ゆ、夢じゃないわ! ゴローラモったら
ヴィンチ
《フォルテ様が
「だから夢じゃないんだったら! 側妃達を殺した暗殺者だったらどうするのよ」
必死で
《私も周辺を見て回りましたが、どうも
「し、消滅? 嫌よ、ゴローラモ。今
《分かっております。ですので、こうなったら今まで
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