第7話神器って本当ですか?!
「では、次に皆さんに武器を渡したいと思います」
そしてクラスメートたちに武器などが配られた。ブロードソードに槍、斧や変わり者だと扇や鞭なんかもいる。どれも美しくできており、光を美しく反射している様は言葉にならないほど目を引く。
「あれ、俺たち……」
俺たち四人だけ、なぜか武器をもらえなかった。
「四人にはこちらをお渡しします」
そういって俺たちに渡されたのは……形を持たない不思議な物質だった。よくわからないが、うねったり、曲がったりしている。え、気持ち悪くない?
「セレスさん。 これは……」
「それは【神器の源】と、呼ばれるもので、触れた人に一番適した武器になるのです」
「そうか……なら、俺から試そう」
そして、勇が【神器の源】に触れると、まさにぐにょぐにょという表現がよく似合う、気味悪く変形した。
黄金の大剣になった。きらきらと輝き、圧倒的な存在感を放っている。
「これが……俺の神器?」
「うわ、趣味悪……」
「おい! 聞こえてるぞ! 蓮!」
「で、勇。 その武器の名前は?」
「ちょっと待って、秀介。 【審判の大剣】って名前らしい」
なんか大層な名前がついてついてるんだな。
「次は僕が行くか」
秀介が【神器の源】に触れると、一冊の本に姿を変えた。基本的に黒い本だが、装飾は金色でされている。この世界は金色が好きなの?
「ふーん。 【知識の禁書】というのか」
「次は私が行きます」
聖さんが触れると、それは一つの槍になった。しかし、槍の穂の中に一つの宝石がついている。先ほどの二人に比べて、なんか、神々しい感じがする。あれ、俺どっかで見た気がするんだけどなぁ……気のせいかな?
「じゃ、俺が最後か」
「今度はどんなのひくんだ?」
「面白いの待ってるぞ」
「期待すんな!」
「クスクス」
「笑わないで! お願いだから! 聖さん!」
最後に俺が触れると、俺たちが見慣れた形になってきた。 誰もが知ってる、トランプの形になった。だが何かおかしい。
「なんか……枚数が少なくない?」
トランプは基本、五十四枚のはずだが、俺の手にしているトランプは、一からKの十三枚と、一枚のジョーカー。そして、赤で描かれたハート、青で描かれたスペード、緑で描かれたクラブ、黄色で描かれたダイヤの合計、十八枚しかない。
「え、ナニコレ……」
「何が出たんだ?」
「え、トランプ」
「トランプ?!」
「うん、トランプ」
「なんで?!」
「しるか」
「な、名前は?」
「えっと……【遊戯神の娯楽】だって…………いや、なんだよ!」
「遊戯神とか、蓮ぴったりじゃん!」
「こらぁ! 勇笑うな!」
「まぁまぁ、落ち着けよ。 遊戯神」
「うるせぇ!賢者!」
「クスクス」
「だから笑わないで! 聖さん!」
とても異世界に来たばかりとは思えないような会話を、俺たちはしていた。
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